宮崎県は4月15日、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた今後の方向性をまとめた。感染対策として、ウイルスを持ち込ませない、感染の連鎖をつくらない対策を徹底するとともに、医療提供体制の確保を図る。また、国の緊急経済対策に呼応し、県内経済の厳しい状況を踏まえ、4つの柱に基づく具体的な事業を展開する。
県内では、3月4日に1例目が発生して以降、特に4月に入って感染確認が続き、PCR検査数も急増している。累積感染者数は17人で、居住地は宮崎市が最も多く、延岡市、日南市、高千穂町でも発生。これまでの感染事例は、いずれも東京都など国の緊急事態宣言の対象地域や海外の滞在歴がある者、その接触者となっている。
国内では都市部を中心に感染者が急増し、こうした地域からのウイルスの持ち込みによる感染防止を徹底しする必要がある。感染者の急増に伴う医療提供体制の確保や感染者及び関係者の心のケア、対策に携わる医療関係者等も含めた人権への配慮、二次健康被害の防止等に加え、対策の長期化に伴う景気低迷への対応も大きな課題だ。
本県を取り巻くこうした現状と課題を踏まえ、感染拡大防止策として、あらためて「感染しない」「うつさない」、ウイルスを持ち込ませない、感染の連鎖をつくらないための対策を徹底する。県内の感染状況を見極めたうえで、イベント等や公の施設、県立学校の取り扱い、来県自粛、外出自粛等といった対応や要請の強化を検討する。
また、医療従事者や必要な物資・資材等を確保するとともに、感染者数の急増に備え、感染症病床数及び軽症者の宿泊施設等のさらなる確保を図る。県精神保健福祉センターによる「心のケア」や、関係機関と連携した人権相談・啓発等も実施。県内外の感染状況や感染防止対策、医療提供体制の状況等は、適時適切に情報を提供する。
こうした感染対策等と同時に経済対策にも取り組む。国の緊急経済対策に呼応し、県内経済の厳しい状況を踏まえ、▽感染拡大防止策と医療体制の整備▽雇用維持と事業継続のための支援強化(セーフティーネット)▽官民を挙げた経済活動の復興・活性化▽将来を見据えた取り組み―の4つの柱に基づく事業を実施する。