▲週休2日工事の実施状況
国土交通省は、2020年度から原則全ての直轄工事を週休2日工事として入札公告する方針だ。直轄工事で週休2日工事として公告する工事はすでに全体の80%を超えており、20年度は災害発生時の応急復旧工事を除く、ほぼ全ての工事で受注者が週休2日に取り組めるようにする。建設業に時間外労働の上限規制が適用される24年度までには、原則全ての現場を週休2日にすることを目指す。
国交省は、18年度に応急復旧と維持工事を除くほぼ全ての直轄土木工事を週休2日工事の対象とし、全体の81%に当たる6485件を公告した。
19年度は現場閉所が困難な維持工事でも週休2日を実施できるよう、「週休2日交替制モデル工事」を試行。19年12月末までに発注した直轄工事(6534件)の82%に当たる5376件を週休2日工事として発注している。
20年度は、こうした働き方改革への対応をさらに進め、原則全ての工事を週休2日工事として発注する。週休2日工事として発注する工事では、現場閉所の状況に応じて労務費、機械経費(賃料)、共通仮設費、現場管理費を割り増す。
建設業に時間外労働の上限規制が適用される24年度を見据え、受注者が週休2日を選択しやすくなる環境を整える。全ての直轄工事に対する週休2日実施工事の割合は、16年度の2%から18年度には39%まで上昇。19年度も19年12月末時点で46%と、前年度の実施率を上回る見通し。国交省は遅くとも24年度までにこの割合を100%としたい考えだ。
20年度の土木工事積算基準の見直しでは、これまでの週休2日工事での実態を踏まえ、共通仮設費と現場管理費の補正係数を引き上げた。
一方、受注者希望型の週休2日工事では、工期末に補正による割増分を事後精算したため、元請けが施工期間中に必要な経費を負担したり、技能者に割り増し分の経費が行き渡らない課題があった。20年度からは受注者希望型でも、発注者指定型と同様に当初の予定価格から4週8休を前提として経費を積算する。