国土交通省は３月１０日、高速道路の暫定２車線区間の４車線化に２０２０年度から着手する候補１５区間を選んだ。昨年９月にまとめた「高速道路における安全・安心基本計画」の中で優先整備区間とした合計８８０㎞のうち１５区間１１０㎞を選んだ。４車線化の財源には財政投融資から合計７０８０億円を充当する。
国交省は、成長力を強化する物流ネットワークの強化、防災・減災、国土強靱（きょうじん）化のために高速道路の暫定２車線区間の４車線化を推進する方針で、優先整備区間の中から災害・渋滞・事故発生状況を踏まえて２０年度に事業着手する区間を選定した。
財源には財政投融資を充て、長期・低金利の資金を政策的に供給。現在の低金利環境を生かして金利負担を軽減し、高速道路会社に投資余力を生み出す。候補区間15区間は、20年度当初予算の成立後に事業許可する見通しだ。
４車線化候補箇所は次のとおり（①延長②事業費③都道府県）。
▽道東自動車道（占冠ＩＣ～トマムＩＣ)＝①１９．９㎞②９７０億円③北海道
▽秋田自動車道（湯田ＩＣ～横手ＩＣ）＝①７．７㎞②３５０億円③秋田県
▽常磐自動車道（浪江ＩＣ～南相馬ＩＣ）＝①１．９㎞②７０億円③福島県
▽磐越自動車道（会津坂下ＩＣ～西会津ＩＣ）＝①７．１㎞②５６０億円③福島県
▽磐越自動車道（西会津ＩＣ～津川ＩＣ）＝①８．８㎞②６６０億円③福島県。新潟県
▽東海北陸自動車道（白川郷ＩＣ～五箇山ＩＣ）＝①１０．１㎞②８２０億円③富山県・岐阜県
▽東海北陸自動車道（五箇山ＩＣ～福光ＩＣ）＝①９．５㎞②８００億円③富山県
▽東海環状自動車道（土岐ＪＣＴ～可児御嵩ＩＣ）＝①４．４㎞②３４０億円③岐阜県
▽紀勢自動車道（大宮大台ＩＣ～紀勢大内山ＩＣ）＝①６．２㎞②３８０億円③三重県
▽舞鶴若狭自動車道（大飯高浜ＩＣ～小浜西ＩＣ）＝①３．６㎞②２００億円③福井県
▽阪和自動車道（印南ＩＣ～みなべＩＣ）＝①６．５㎞②４８０億円③和歌山県
▽米子自動車道（蒜山ＩＣ～江府ＩＣ）＝①４．７㎞②２５０億円③鳥取県・岡山県
▽徳島自動車道（土成ＩＣ～脇町ＩＣ）＝①７．７㎞②４６０億円③徳島県
▽松山自動車道（伊予ＩＣ～内子五十崎ＩＣ）＝①９．７㎞②６００億円③愛媛県
▽鹿児島道路（美山ＩＣ～伊集院ＩＣ）＝①２．３㎞②１４０億円③鹿児島県。