門川町は、2015年10月に策定した「門川町公営住宅等長寿命化計画」の改定案をまとめ、ホームページで公開した。社会及び経済情勢の変化や国の指針の改定に基づき、町営住宅の長寿命化に係る当該計画の見直しを行う。町内在住者や在勤者などを対象に、2月12日から26日まで改定案に対する意見を募集する。
計画対象は、19年4月時点で町が管理する▽栄ヶ丘▽橋ノ口▽平城▽西ノ山▽宮ヶ原―の計5団地(61棟、410戸)。団地別・住棟別に活用方針を定め、建て替えや修繕等の計画的な実施及び予防保全による建物の長寿命化を推進し、更新コストやライフサイクルコストの縮減を図る。計画期間は20年度から10年間。
改定案では、国の住生活基本計画や宮崎県住生活基本計画、門川町長期総合計画、門川町公共施設等総合管理計画といった上位・関連計画を整理。町の人口・世帯の推移や町営住宅の現況を踏まえ、公営住宅等の需要見通しに基づく将来ストック量を推計し、計画期間の最終年にあたる29年の管理目標戸数を310戸と設定する。
一方で、国の指針で示されたフローに基づき、既存団地の立地環境といった社会的特性や住棟の改善の必要性、地域の実情を踏まえた集約・再編等の可能性について検討を実施。中長期的な事業費の試算や事業実施時期の調整に加え、計画期間に於ける管理目標戸数も踏まえて、事業手法や事業スケジュールの選定を行った。
事業手法の選定結果によると、橋ノ口団地と平城団地の一部を統合し、平城団地の敷地内に1棟(40戸)に集約して建て替えを行う方針。橋ノ口団地は25年度以降に解体し、用途を廃止する。また、平城団地では住戸改善や維持管理等を、西ノ山団地では住戸改善をそれぞれ行い、栄ヶ丘団地と宮ヶ原団地は現状のまま維持管理する。
このうち住戸の改善事業に関しては、長寿命化型・居住性向上型・福祉対応型・安全確保型の4パターンに分類し、屋上等の防水性向上や外壁の耐久性向上、給湯設備の改修、汚水処理施設の整備、貯水槽の改修、住戸内部の段差解消、浴室・トイレの高齢者対応、屋外通路等の避難経路の整備などに計画的に取り組む。
町内には、法定点検の対象となる町営住宅はないが、点検の充実は建築物の老朽化や劣化に伴う事故等を未然に防止し、修繕等の効率的な実施につながることから、法定点検と同様の定期点検を行うとともに、全ての住棟で日常点検を実施する。点検結果はデータベースに記録し、修繕・維持管理の的確な実施や次回の点検に役立てる。
計画の実現に向けて、限られた財源の中での効率的な運用や周辺地域を含めた総合的なまちづくりの視点、建替等に際しての仮住居の確保に配慮する。PPP/PFI事業による建て替えや民間賃貸住宅の借り上げなど、民間活力を生かした手法も検討する。