技研製作所(高知県高知市)が開発した「インプラント工法」=写真=が、南海トラフ地震に備える高知県、徳島県、大阪府、愛知県、静岡県での堤防補強工事や岩手県沿岸での震災復旧工事などで採用されている。
同工法は、鋼矢板や鋼管杭などを油圧による静荷重で地中に押し込み、地球と一体化した構造物を構築するもの。従来工法に比べ仮設工事が不要で省スペースで工事ができる上、既設の機能を維持したまま耐震補強などの工事が可能だという。また、近年大きな被害が多発している山間部の地すべり対策には、インプラント地すべり抑止工法が有効である。
今年、創業50周年を迎えた同社ではさまざまな防災インフラ整備において同工法の適用を目指す。
担当者は「科学的裏付けに基づくインプラント工法は、これまで不可能だった工事を可能とし、従来の建設の在り方を大きく変革できるだろう」と意気込みを語る。