日南市は、東九州自動車道利用者に対する北の玄関口となり、北郷地区の拠点施設と位置付ける「(仮称)道の駅北郷」の整備計画を進める。休憩機能や情報発信機能、地域連携機能を集約した主要施設の総面積は約980m2。2020年度以降に施設整備に係る実施設計や本体建設工事を行い、22年度の開業を予定している。
将来的な東九州自動車道の全線開通及び日南北郷ICの設置を見据え、交流人口や物流の促進を図ることで新たな雇用を生み出し、高齢者の生きがいや防災の拠点となる施設を整備する。「地域住民のための道の駅」をコンセプトに掲げ、「北郷らしい体験ができる道の駅」「ヨソから来て、また来たくなる道の駅」を目指す。
建設場所は、旧北郷町総合支所や北郷農村環境改善センターなどが立地し、県道日南高岡線に隣接した北郷町郷之原のエリア(約1万6000m2)。林業会館や旧北郷町総合支所、農村環境改善センターを解体し、跡地に主要施設や広場、駐車場を整備する。ふれあい交流センターや北郷図書館は既存の施設を活用する。
市が18年3月にまとめた基本計画では、道の駅の認定を受けるために必要な機能等を整理。これを踏まえ、敷地中央に▽休憩・観光情報施設(事務所・観光案内等)=約150m2▽トイレ・防災倉庫=約250m2▽飲食施設=約180m2▽調理実習室=約100m2▽農林水産物等販売施設=約300m2―を集約して整備する。
アクセス道路と位置付ける県道日南高岡線に隣接した敷地西側には、約110台の駐車場(約6000m2)を整備。駐車場から主要施設までの動線上にアクセス広場、主要施設前面に多目的広場、敷地東側に森の広場と緑地、図書館前広場を配置し、施設利用者や地域の子ども達が遊ぶことができる遊具広場も整備する。
施設の整備に際して、全国から応募のあった作品の中から、蟻川建築設計事務所(東京都)のグランドデザインを採用することを決めた。デザインを基に同社が配置計画等の詳細を詰め、19年度に市が施設整備に係る基本設計を行う。設計費を含む建設事業費を約4~6億円、既存施設解体費を約2億円と概算する。
市は、民間事業者のノウハウを活用することで柔軟なサービスの提供及び効果的な管理運営の推進を図るため、施設の整備に先がけて施設運営予定者を募集する。1月6日から募集要項等を配布しており、1月15日に公募説明会を開催する。書類審査とヒアリング審査の結果を踏まえ、施設運営予定者と覚書を締結する。