道路管理者に5年に1度の周期で実施することが義務付けられている橋梁・トンネル等の定期点検に関して、宮崎県内で対象となる橋梁9533箇所、トンネル227箇所、道路付属物399箇所に於ける2018年度末時点の点検実施率が、橋梁で99.8%、トンネルと道路付属物でともに100%となったことが分かった。
国や県、市町村、高速道路会社等の県内関係機関で組織する宮崎県道路メンテナンス会議が12月23日に開いた会合で明らかにした。
道路管理者には14年7月、橋梁・トンネル・道路付属物(シェッド、大型カルバート、横断歩道橋、門型標識等)の5年に1度の定期点検と、健全性を4段階(判定区分Ⅰ~Ⅳ)で診断することが義務付けられている。宮崎県内に於いては、18年度末時点でほぼ全ての施設で一巡目の点検を終えたことになる。
診断の結果、5年後の次回点検までに修繕が必要と診断された県内の橋梁(判定区分Ⅲ・Ⅳ)は537橋(6%)あったが、このうち18年度末時点で修繕に着手していない橋梁が348橋(65%)あった。道路管理者別の内訳は、国土交通省が3橋、高速道路会社が5橋、県が208橋、市町村が132橋。
また、次回点検までに修繕が必要と診断された県内のトンネル(判定区分Ⅲ・Ⅳ)は95箇所(42%)で、このうち18年度末時点で修繕に着手していないトンネルは61箇所(64%)。同じく道路付属物(判定区分Ⅲ・Ⅳ)は24箇所(6%)で、このうち修繕に着手していない道路付属物は16箇所(67%)だった。
一方、予防保全の観点から措置を講ずることが望ましい県内の橋梁(判定区分Ⅱ)は4106橋(43%)で、このうち18年度末までに修繕に着手した橋梁は195橋(5%)あった。道路管理者別の内訳は、国土交通省が56橋、高速道路会社が0橋、県が14橋、市町村が125橋で、修繕完了済みの橋梁は160橋。
点検及び修繕率を向上させるため、国は地方への技術支援や集約化・撤去等による管理施設数の削減を実施。また、新技術の活用による点検方法の効率化や新たな点検方法の開発、点検技術者の質の確保、修繕費用を縮減させる新材料・新工法の導入、維持管理のためのデータの整備等に取り組んでいる。
九州地方整備局では、緊急的な対応が必要で、かつ高度な技術力を要する施設を対象に、地方公共団体からの要請に基づき、専門家で組織する道路メンテナンス技術集団による直轄診断を実施。診断の結果を踏まえ、診断内容や地域の実情等に応じて、修繕代行事業や大規模修繕・更新事業等を実施している。
また、定期点検要領の改訂を受け、点検の負担軽減につながる「溝橋点検」及び「点検支援技術活用」について、自治体への周知を目的とした講習会(座学・現地実習)を各地で開催している。