▲写真は講習会の模様
宮崎県舗装協会(河野孝夫会長)は、道路事業に携わる技術者を対象とした2019年度の「道路技術講習会」を11月29日に宮崎市内で開いた。講習会には、県内各地の建設会社や自治体で働く技術系職員ら約80人が参加。近年の道路行政の動向や舗装の施工管理及び診断技術、舗装発生材の有効利用技術などを熱心に学んだ。
講師を務めた宮崎県県土整備部道路保全課の森英彦課長は、近年の公共事業予算や県の道路関係予算の推移、国土強靱化に向けた取り組みなどを解説。宮崎県の舗装補修費が近年は年間25億円程度で推移していることや、14年度に策定した舗装維持管理計画を見直し、次年度から新計画に基づく維持管理に取り組むことを説明した。
一般社団法人道路・舗装技術研究協会の稲垣竜興理事長は、「舗装の施工管理および診断技術」をテーマに講演。舗装に使用する材料や路床・路盤の施工、加熱アスファルト混合物の施工についてポイントを絞って解説し、適切な施工管理の実践を呼び掛けるとともに、舗装診断士に求められている資質や能力なども説いた。
このほか、福岡大学工学部社会デザイン工学科の佐藤研一教授は、「アスファルト舗装発生材の有効利用技術」をテーマに講演。アスファルトの性質や劣化メカニズム、アスファルトコンクリートの再生技術の概要と現状、舗装再生便覧の内容、アスファルトコンクリートのリサイクルの課題と現在の取り組みを紹介した。
河野会長は、公共事業や道路整備を取り巻く環境が大きく変化する中で、新たな技術に対応できる人材の育成を図りつつ、現場に於ける働き方改革の取り組みも重要であることを指摘し、「講習会を通じて新たな技術や働き方改革の動向などを学び、各自の技術力の向上や現場環境の改善などに役立ててもらえれば」と話した。