▲写真は訓練の模様、防災展示ブース
大規模な自然災害の発生を想定した2019年度の「宮崎県総合防災訓練」が11月9日と10日の2日間、多くの関係機関や地域住民が参加して行われた。9日は宮崎県庁で図上訓練を実施。10日は高原町の総合運動公園をメイン会場に実動訓練を行い、災害発生時におけるそれぞれ役割や組織間の連携体制を確認した。
宮崎県は毎年、市町村や防災に携わる行政・公共機関、防災協定締結機関、自主防災組織、地域住民らが参加する総合防災訓練を県下で実施している。今年度の訓練は、九州・沖縄各県の消防局やDMATが参加する「緊急消防援助隊九州ブロック合同訓練」及び「九州・沖縄ブロックDMAT実動訓練」が同時開催された。
9日に県庁で行われた図上訓練では、西諸エリア及び都城市で地震、風水害、火山噴火が発生した状況を想定。災害対策本部の運営や緊急消防援助隊の応援要請、関係機関と連携した救助対応活動について図上訓練を行ったほか、医療施設への燃料供給や被災地への物資輸送の流れなどを、一部実動を組み込んで確認した。
10日に高原町の総合運動公園で行われた実動訓練では、宮崎県小林土木事務所や小林地区建設業協会、宮崎県測量設計業協会、宮崎県舗装協会、宮崎県法面保護協会が道路啓開訓練に参加。道路の被災状況を確認して、道路管理者に報告し、重機等を使って各者が連携しながら通行の支障となる障害物を取り除いた。
国土交通省とJAF(日本自動車連盟)は放置車両の撤去作業を行い、NTTはドローンを飛ばして災害現場等の上空からの映像伝送を行った。隣接する高原中学校では、高原町が災害対策本部の設置や避難所との連絡調整を実施。総合保健福祉センター等では、地域住民や看護協会らが住民移送や避難所運営に臨んだ。
メイン会場ではこのほか、九州・沖縄各県から集結した約200隊・800人の緊急消防援助隊を中心に、倒壊家屋や建物、橋梁及びトンネルの崩壊現場、座屈倒壊中高層建物、横転列車、土石流に伴う多重衝突事故や埋没家屋等からの救出訓練を実施。出火した建物の中継消火訓練や応急救護所設置運営訓練も行った。
高原中学校内に設けられた防災展示ブースには、宮崎県電業協会が発電機を設置して電源を供給し、災害時に役立つ移動式ネットワークカメラや太陽光蓄電システムを紹介した。宮崎県建築協会は、熊本地震で倒壊した家屋の写真をパネルで紹介し、参加した会員が来場者に災害への備えや住宅耐震化の重要性などを訴えた。