国土交通省は、女性の就労継続を柱とする「建設産業女性活躍推進新計画」の骨子をまとめた。新計画では、出産・育児による女性の離職を抑制するため、官民で女性が働き続けるための環境を整備。2024年度まで女性入職者に対する離職者数の割合を毎年度減少させる目標も打ち出す。出産・育児前の経歴の証明に建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録情報を活用し、女性が復職しやすい環境を整えるなどとした。
11月8日に開いた「建設業における女性活躍推進に関する新計画策定委員会」に新計画の骨子を示した。24年度までの5年間の新計画を年内にまとめる。
新計画の骨子は、7~8月に全国10カ所で開いた意見聴取会や、建設業団体と各団体の会員企業を対象とする実態調査の結果を踏まえてまとめた。建設業の女性の離職者は減少傾向にあるものの、離職者全体に占める子育て世代(25~49歳)の割合が6割に上っており、女性就業者の増加には就労継続を後押しする必要がある。
このため新計画では、入職者に占める女性の割合(17年度は19.4%)を毎年度増加させることに加え、入職者に対する離職者数の割合(17年度は92.0%)を毎年度減少させる目標を定める。女性入職者の増加だけでなく、出産・育児中も女性が働き続ける環境を整備し、離職者数の減少につなげる。
具体的には、現場の長時間労働の是正や男性の意識改革(産休・育児休業の取得促進)などを新たな施策として計画に位置付ける。合わせて、育児期間の女性も復職しやすいよう、短時間勤務やフレックスタイム制の整備にも取り組む。
出産・育児後に復職する女性が、CCUSに蓄積された就業履歴で自身の経歴を証明できるようにする。建設技能者の能力評価制度でレベル判定を受ければ、自身の技能レベルをさらに証明しやすくなる。
一方、女性入職者の増加に向けては、i-Constructionによる生産性向上で女性も働きやすい現場環境になることを発信。建設業経理士など、女性の活躍を後押しする資格制度などもアピールする。