2013年度に1万1000人だった建設業の女性技術者が、18年度までの5年間で1.6倍の1万8000人に増加した。また女性技能者は8万2000人から1.3倍の10万4000人に増えた―。日本建設業連合会(日建連、山内隆司会長)がまとめた。日建連では、国土交通省と建設業界5団体が14年8月に策定した『もっと女性が活躍できる建設業行動計画』などで掲げた、5年以内に倍増させる目標には届かなかったものの、「目標に近い数値になった」と評価。特に女性技能者の増加については、男性を含む総数が減少する中で増加したため、「数字以上に評価できる」としている。
日建連の会員企業の女性技術者は2820人から1.8倍の5099人に増加。業界全体での増加率を上回った。また、日建連では14年8月に策定した『もっと女性が活躍できる建設業を目指して~日建連の決意~』の中で、日建連会員企業の女性管理職を5年以内に倍増させる目標を設定した。13年度に623人だった女性管理職は、18年度に2.3倍の1437人に増加。これについては目標を上回った。
会員企業の主な取り組みのうち「女性現場監督の登用」では、全現場監督に対する女性現場監督の割合が2%以上の企業が、15年度の19%から、3年後の18年度は3.3倍の62%に増加した。また、直接の上司以外に悩みを相談できる窓口を社内か社外に設置している会員は41%から72%に増えた。
女性技術者に対する出産・育児サポート制度を導入している会員企業は74%(15年度)から88%(18年度)になった。制度を導入している企業のうち時差出勤やフレックスタイムを活用している会員は17%から43%に増加した。
女性技能者に対し、出産・育児などで必要となる時差出勤や早期帰宅について、下請けに推奨したり、要請があれば許可したりしている会員は43%(15年度)から3年間で53%(18年度)になった。
女性が働きやすい環境整備で、女性専用トイレを設置している会員企業は3年間で22%から54%、女性専用更衣室の設置は31%から45%に増加した。