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住吉道路で3ルート帯案提示 社整審道路分科会九州小委員会

 社会資本整備審議会道路分科会九州地方小委員会(辰巳浩委員長=福岡大学工学部社会デザイン工学科教授)は9月11日、国道10号住吉道路(宮崎市)の計画段階評価を行った。会合では、地域の現状や課題、意見聴取の結果を踏まえた政策目標を設定したほか、①現道改良案②西側バイパス案③東側バイパス案―の3ルート帯案を提示した。

 計画段階評価は、公共事業の実施過程の透明性を向上させるため、新規事業採択時評価の前段階で政策目標を明確化し、複数案の比較・評価を行うもの。地方支分部局が評価を行うにあたって必要なデータの収集や整理、資料作成等を行い、地域の意見聴取を踏まえつつ、学識経験者等で構成する委員会等の意見を聴き、対応方針案を決定する。

 宮崎市北部に位置する住吉道路は、県東部を縦貫する国道10号の一部であり、佐土原バイパスと宮崎北バイパスに挟まれた2車線区間。2車線の容量を上回る交通が集中し、平日・休日ともに渋滞が発生し、県内平均の約3倍にあたる死傷事故が発生するなど、交通環境の改善や沿道環境の保全、信頼性の高い緊急交通路の確保が急務だ。

 会合では「交通容量および安全性を確保し、交通環境の改善および沿道環境の保全を行うとともに、緊急時における信頼性の向上を図る。また、広域的ネットワークの一部を形成し、走行性・信頼性の向上により地域産業・観光の支援を目指す」ことを基本コンセプトに設定。これを達成するための対策案として、3つのルート帯案を示した。

 ルート帯案のうち「現道(国道10号)改良案」は、現道である国道10号を4車線に拡幅し、交通容量の拡大を図ることで、交通混雑の緩和を図る案。段階的な開通が可能であり、早期の効果発現が期待できるが、現道利用のため代替路は確保できない。整備延長は約7㎞で、概算の整備費は約400~450億円を見込む。

 また「西側バイパス案(山側案)」は、国道10号の西側にバイパスを整備し、通過交通を分離することで交通混雑の緩和を図る案。バイパス区間は概ね田畑・山地であり、自然環境の改変を伴うが、生活環境への影響は小さく、家屋・店舗移転等も少ない。整備延長は約6㎞で、概算の整備費は約380~430億円を見込む。

 一方、「東側バイパス案(海側案)」は、国道10号の東にバイパスを整備し、通過交通を分離することで交通混雑の緩和を図る案。JR日豊本線を跨ぎ、工業団地等を回避して、新名爪交差点に接続する。点在する集落を通過するため、家屋・店舗移転等は多い。整備延長は約7㎞で、概算の整備費は約450~500億円を見込む。

 会合では、こういった政策目標や複数案、評価項目の設定のほか、複数案の比較評価、意見聴取の内容・方法について九州地方整備局が説明を行い、委員がこれを「妥当」と判断した。ただし、今後の意見聴取で「対応方針(複数案)の検討に係る評価項目等の説明がより分かりやすい表現となるよう工夫してほしい」と注文を付けた。

 今後は、沿線周辺自治体や団体代表者、地域住民、企業等を対象に、今回の会合で示した対応方針(複数案)の検討で重視すべき項目について、ヒアリング、オープンハウス、アンケートを通じて意見を聴取する。地域から聴取した意見の内容を九州地方小委員会で確認し、概略ルートや構造といった対応方針案を決定する。

 11日の会合では、九州横断自動車道延岡線の一部区間で、熊本県内で唯一計画段階評価が完了していない矢部~蘇陽間、福岡県北部を東西方向に横断する国道201号で唯の一現況2車線区間である香春~行橋間の計画段階評価も実施。地域や道路の課題を踏まえた政策目標案や意見聴取の内容・方法を示し、委員がこれを「妥当」と判断した。

ルート帯案の概要と比較評価