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10月頃に本体建設工事発注へ 日之影町新庁舎建設計画

 新庁舎の建設計画を進めている日之影町は、7月時点に於ける事業の進捗状況を明らかにした。本体建設工事に係る実施設計業務に加え、新たな庁舎への取付道路となる「町道町立病院役場線」の開設工事などが進む。本体建設工事に関しては、今年8月末までに実施設計業務を終え、10月頃にも工事を発注する見通し。

 既存の役場庁舎は、経年劣化による建物や設備の老朽化が進み、社会情勢の変化に伴う機能の不備もさることながら、防災拠点としての耐震基準を満たしていないなどの課題を抱えている。社会情勢の動向を見据えつつ、現庁舎を取り巻く様々な課題を解消し、住民サービス行政効率の向上を図るため、新たな庁舎を建設する。

 建設場所は宮水地区の敷地(6800m2)。既に解体工事を終えた町民センター及び福祉館の跡地を活用し、庁舎機能や町民センター、福祉館、図書館等の機能を備えた複合施設を整備する。基本設計完了時点では、主としてRC造3階建を計画しており、綜企画設計が担当している実施設計の中で延床面積等の詳細を詰めている。

 新庁舎の1階には、町民課や税務課、会計課といった窓口部門の執務スペースのほか、図書室や町民ホール、和室、調理実習室を配置。2階にはその他の執務スペースに加え、町長室や副町長室、防災会議室を配置し、災害時に迅速な対応が可能となるようにする。3階には議場等の議会関連諸室を集約して配置する。

 防災拠点としての機能を維持するため、官庁施設の総合耐震計画基準で規定する耐震安全性の目標を▽構造体=Ⅰ類▽建築非構造部材=A類▽建築設備=甲類―として計画を進める。建築環境総合性評価システム(CASBEE)評価でAランクの性能を満たす建物を目指すほか、ユニバーサルデザインにも配慮する。

 工事計画に関しては、町民センターに入居していたケーブルネット放送センター新築工事が今年3月までに完了。7月時点で町民センター及び福祉館の解体処分工事がそれぞれ完了している。新庁舎への取付道路となる町道町立病院役場線の開設工事は、7月時点で事業進捗率が約35%に達している。

 今後は、8月末までに実施設計業務を終え、10月頃にも新庁舎建設工事を発注する見通し。工事は2箇年で行い、2020年度末の事業完了を目指している。町は19年度当初予算に新庁舎の設計や工事、既存施設の解体工事費として約10億円を盛り込んだほか、20年度の継続費として約9.8億円を設定している。