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技能実習生の受入基準強化 CCUS登録を義務化

 国土交通省は、建設分野の技能実習生の受け入れ基準を強化し、2020年1月1日から月給制と建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録を義務化する。失踪する技能実習生が全職種の中で最も多いことを重くみて、失踪の主な要因になっている報酬の変動を月給制によって回避し、合わせてCCUSで適正に就労状況を管理するように受け入れ企業に求める。22年4月1日からは、企業単位での技能実習生の受け入れ人数の制限も厳格化する。

 7月5日、受け入れ基準を強化するための告示を制定・公布した。建設分野への技能実習生の受け入れは、建設投資の回復とともに11年以降に急増しているが、同時に失踪者の増加や失踪した技能実習生の不法就労が問題視されている。

 こうした問題への対策として、今年4月に受け入れを開始した特定技能外国人には、安定的な報酬の支払い(月給制)とCCUSの登録を義務付けた。特定技能と一連の制度である技能実習でも同じ措置を講じ、外国人材の受け入れ制度を適正に運用する。

 CCUSについては、技能実習生に技能者登録、受け入れ企業に事業者登録をそれぞれ義務付ける。入国後1年は登録を猶予し、入国2・3年目の技能実習2号への移行までに登録を済ませるよう求める。CCUSに蓄積される就業履歴を活用し、雇用主である受け入れ企業は適正に労務管理と就労管理を行う。

 企業ごとの受け入れ人数の制限も厳格化する。団体監理型技能実習では現在、常勤職員数が9人未満の場合、技能実習生を9人まで受け入れられる規定があるが、技能実習生の人数が常勤職員数を超えられない規定を新たに設ける。例えば常勤職員が3人の企業でも現在は9人の技能実習生を受け入れることが可能だが、3人までしか受け入れられないようにする。優良な受け入れ企業と監理団体に限定された技能実習3号は、人数制限の対象から除外する。

 受け入れ基準の強化は、20年度末までの時限措置として実施している「外国人建設就労者受け入れ事業」にも適用。CCUS登録と月給制の義務には経過措置を設け、20年1月1日の施行前に受け入れた実習生には適用しない。