建設ネット企画画像 四角 四角

最適候補地に駅東の駐車場用地 宮崎市アリーナ基本構想

 宮崎市は「アリーナ基本構想」をまとめ、3月28日に開いた市議会の全員協議会で内容を公表した。JR宮崎駅東口の民間駐車場用地を最適候補地と位置付け、ライブ・エンタテインメント時に6000人以上を収容できる規模のアリーナ整備を目指す。事業手法は「民設民営」を第一義として、今後、意欲ある事業者の誘致に注力する。

 市が策定したアリーナ基本構想は、本格的な人口減少社会の到来を迎える中、市外・県外から人を呼び込み、持続可能な地域の経済循環を構築するための集客エンジンとしての多機能複合型アリーナの方向性を確認するとともに、様々な課題を明確化し、最も効率的・効果的で持続可能な施設整備のあり方について整理したもの。

 市を取り巻く課題や現状分析、スポーツ市場及びライブ・エンタテインメント市場の動向等を踏まえ、アリーナの基本コンセプトに▽マチナカへの人流形成と賑わいの創出▽観る視点に立った「非日常」の提供▽官民連携による収益モデルの確立▽防災機能の充実・強化▽ニーズの集積によるユニバーサルデザインの徹底―を掲げる。

 目指すアリーナの施設規模に関しては、スポーツイベントやライブ・エンタテインメントでの使用など様々な視点から検討を行い、ライブ・エンタテインメント時の収容人数を6000人以上、座席数を4000席以上、アリーナ部分面積を約2400m2、建築面積を約5000m2とした。今後の設計等の中で詳細を詰める。

 建設場所に関しては、宮崎駅東地区の公有地4箇所に民間用地や多目的広場用地などを加えた計7箇所で立地の可能性を評価。その結果、駅西口との連動性が見込まれ、平時の賑わい創出が可能なほか、アリーナ来場者のマチナカへの誘導も期待できる、宮崎ガス株式会社が所有する宮崎駅東口の駐車場用地(面積6454m2)が最適と判断した。

 アリーナの整備・運営に実績のある民間事業者や各界の専門家等の意見を踏まえ、事業手法に関しては「民設民営」を第一義とし、2019年度は意欲ある事業者の誘致に注力する。ただし、民設民営の手法を採るに至らなかった場合の次善の策として、「官民連携(PPP)」の可能性についても同時進行で最適な手法の検討を深めていく。

 基本構想ではこのほか、民設民営の場合で2023年度頃の供用開始、PPPの場合で2025年度頃の供用開始といった施設整備の工程イメージも示した。