▲写真は挨拶する石川会長、研修会、会場の模様
一般社団法人宮崎県浄化槽協会(石川武則会長)は3月13日、宮崎市内で平成30年度「第14回浄化槽維持管理研修会」を開催した。県内各地で浄化槽の施工や維持管理に携わる技術者のほか、保健所や市町村等の行政関係者ら総勢約160人が参加し、浄化槽の適正管理に向けた現状や課題、適切な保守点検の手法等を熱心に学んだ。
公共用水域の水質保全や生活環境の保全、公衆衛生の向上を図るうえで、浄化槽は下水道とともに生活排水処理施設として重要な役割を担っており、浄化槽に携わる関係技術者には適切な維持管理能力が求められている。宮崎県浄化槽協会では、浄化槽に係る諸問題の解決や最新技術の習得を図るため、毎年、研修会を開催している。
挨拶で石川会長は、県内に設置されている浄化槽の半数近くが未だ単独処理浄化槽であり、これらを早期に合併処理浄化槽に転換する必要性を指摘。維持管理一括契約等の取り組みを更に推進するためには、行政や管理者からの信頼を高める必要があり、そのためにも研修を通じて各自の見識を深めてもらうよう参加者に呼び掛けた。
研修では、公益財団法人宮崎県環境科学協会法定検査部の満山宗人氏が、浄化槽法第7条及び第11条に基づく法定検査について説明。判定に当たっての基本的な考え方や、平成30年4月~12月に行った検査で「不適正」と判定された浄化槽に関して、書類検査、外観検査、水質検査のそれぞれの指摘内容などを解説した。
浄化槽の適正管理に向けた現状と課題について講演した宮崎県環境森林部環境管理課の大木沙由梨技師は、設置者講習会や研究集会、戸別訪問・ハガキによる啓発活動に継続して取り組む必要性を強調。浄化槽台帳で情報共有や一元管理を図るスマート浄化槽に関しては、自治体のシステム導入推進や機能向上等を課題に挙げた。
研修会ではこのほか、フジクリーン工業株式会社とアムズ株式会社の担当者が、各社の製品の構造や機能について説明。スライドや映像を用いながら、不具合を防ぐための施工上の留意点や現状を把握するための点検作業に於ける判断基準、浄化槽の機能を回復するための適切な保守作業の内容などを分かりやすく解説した。