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高速道路4車線化、候補箇所に宮崎西~清武 国交省

 国土交通省は、平成31年度(2019年度)から暫定2車線区間の4車線化を実施する全国の高速道路16区間、合計85㎞を選定。九州管内では、宮崎西IC~清武ICを含む東九州自動車道の4区間を候補に選んだ。財政投融資を充当する事業費は総額4400億円。関係する地方自治体や有識者委員会の意見を聞いた上で、3月中に高速道路会社に事業許可を与える見通し。

 暫定2車線区間の4車線化は、昨年12月に閣議決定した「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための3か年緊急対策」に盛り込まれた施策の一つ。昨夏に頻発した自然災害を受けて行われた「重要インフラの緊急点検」の結果を踏まえ、土砂災害で通行止めなどの危険性の高い16区間を選んだ。

 財源には財政投融資を充て、長期・低金利の資金を政策的に供給する。現在の低金利環境を生かして金利負担を軽減し、高速道路会社に総額4400億円の投資余力を生み出す。31年度はこのほか、新名神高速道路(亀山西JCT~大津JCT)の6車線化の財源にも財政投融資を充てる。

 東九州自動車道では、福岡県の苅田北九州空港IC~行橋IC(約1.1㎞/事業費50億円)、大分県の宇佐IC~院内IC(約4.6㎞/事業費210億円)、同じく大分宮河内IC~津久見IC(約6.0㎞/事業費290億円)、宮崎県の宮崎西IC~清武IC(約3.7㎞/事業費150億円)を候補に選んだ。

 国交省は、残る暫定2車線区間についても、防災上の観点や速度低下等の課題を踏まえ、今夏をめどに優先的に整備する区間を選定する方針でいる。

 宮崎県の河野俊嗣知事は、東九州道が自然災害から生命・財産を守る「命の道」であり、更なる経済成長を実現させる「活力の道」であることを踏まえ、「事業化となれば、災害時に信頼性の高い通行機能が確保されること、平常時においても時間信頼性や事故防止に大きく寄与することが期待され、大変嬉しく思う」と今回の発表を歓迎。

 県として引き続き、沿線自治体等と連携を図りながら、県内高速道路の一日も早い全線開通と併せて、暫定二車線区間の早期四車線化に全力で取り組む考えを示した。

 財政投融資を活用して実施する4車線化等の候補箇所は次のとおり(事業区間名=①延長②事業費③関係都道府県)。
▽道東自動車道(トマムIC~十勝清水IC)=①9.5㎞②300億円③北海道
▽秋田自動車道(湯田IC~横手IC)=①7.7㎞②400億円③秋田県・岩手県
▽磐越自動車道(三川IC~安田IC)=①5.1㎞②200億円③新潟県
▽富津館山道路(富津竹岡IC~富津金谷IC)=①3.4㎞②300億円③千葉県
▽東海北陸自動車道(白川郷IC~五箇山IC))=①2.8㎞②300億円③富山県
▽舞鶴若狭自動車道(舞鶴東IC~大飯高浜IC)=①4.1㎞②200億円③京都府・福井県
▽舞鶴若狭自動車道(大飯高浜IC~小浜西IC)=①7.8㎞②430億円③福井県
▽広島呉道路(坂北IC~呉IC)=①12.2㎞②730億円③広島県
▽岡山自動車道(有漢IC~北房JCT)=①3.3㎞②170億円③岡山県
▽米子自動車道(江府IC~溝口IC)=①4.2㎞②270億円③鳥取県
▽徳島自動車道(脇町IC~美馬IC)=①4.8㎞②200億円③徳島県
▽松山自動車道(内子五十崎IC~大洲IC)=①4.4㎞②200億円③愛媛県
▽東九州自動車道(苅田北九州空港IC~行橋IC)=①1.1㎞②50億円③福岡県
▽東九州自動車道(宇佐IC~院内IC)=①4.6㎞②210億円③大分県
▽東九州自動車道(大分宮河内IC~津久見IC)=①6.0㎞②290億円③大分県
▽東九州自動車道(宮崎西IC~清武IC)=①3.7㎞②150億円③宮崎県。