今後発注が予定されている県内の主な土木プロジェクトについて、各事業の整備内容や進捗状況等をまとめた。
国土交通省は「東九州道清武JCT~北郷」「高千穂日之影道路」「都城道路及び都城道路Ⅱ期」「国道220号日南防災(北区間)」などを推進するとともに、大淀川及び五ヶ瀬川改修事業、細島港外港地区南沖防波堤整備事業などを進める。
宮崎県は「国道448号石波工区(串間土木事務所)」「国道447号真幸工区(小林土木事務所)」「高城山田線王子橋・志和池工区(都城土木事務所)」「国道219号岩下工区(西都土木事務所)」「国道327号佐土の谷工区(日向土木事務所)」「北方北郷線川水流橋工区(延岡土木事務所)」「竹田五ヶ瀬線波帰之瀬工区(西臼杵支庁)」などを推進する。
◆ 東九州自動車道清武JCT~北郷(国土交通省)
東九州道・清武JCT~北郷間は、宮崎市の清武ICから日南市の北郷ICまでの19㎞を結ぶ高速自動車国道。国と地方の負担で整備を行う新直轄事業方式により、国土交通省が整備する。全体事業費は1,392億円。平成30年3月末時点の進捗率は、用地ベースで100%、事業費ベースで約86%となっている。
区間内の主要構造物はトンネル12箇所と橋梁14箇所で、30年3月末時点でトンネル10箇所と橋梁12箇所(上部工迄)が完成。30年度は芳ノ元地区外改良工や寺山一号橋上部工、二之河内橋床版工、猪八重トンネル外舗装工、芳ノ元トンネル外付属物工を推進する。
◆ 国道220号日南・志布志道路(国土交通省)
東九州道の一部を構成する国道220号日南~志布志間は、日南市と志布志市を結ぶ延長約40㎞の路線。区間内の一部として、日南東郷IC~油津ICの日南区間(延長3.2㎞)と夏井IC~志布志ICの志布志区間(同3.7㎞)が平成28年度に事業化された。
全体事業費は約222億円で、概算数量は▽土工約134万m3▽法面工約16万m2▽橋梁工7箇所▽IC2箇所▽舗装工約7万m2―を見込む。30年3月末時点の進捗率は、用地ベースで0%、事業費ベースで約2%。30年度は用地買収や調査設計を推進する。
なお、未事業化区間を含む日南東郷ICから県境までの県内区間は約32㎞。都市計画決定に向けた地元説明会で、区間内の4箇所にIC、主要構造物として長大橋13箇所やトンネル4箇所を設置する整備案を示していた。
◆ 国道218号五ヶ瀬高千穂道路(国土交通省)
九州中央自動車道の一部を形成する国道218号五ヶ瀬高千穂道路は、五ヶ瀬東ICを起点、高千穂ICを終点とする延長9.2㎞の自動車専用道路(2車線)。防災機能の強化や緊急医療活動の支援、東九州自動車道などの高速道路網と一体となった広域観光ルートの形成による観光振興支援などの効果を期待し、平成30年度に事業化された。
全体事業費は約470億円。主要構造物として▽橋梁10橋▽トンネル4箇所▽インターチェンジ2箇所―を計画する。橋梁は100m以上の長大橋が5橋、100m未満の中小橋が4橋、跨道橋が1橋。トンネル4箇所の延長は、2,430m、350m、1,050m、770mと想定。起点と終点に設けるICはダイヤモンド型のハーフICとする。
30年9月24日には中心杭打ち式が五ヶ瀬町内で行われ、地元関係者らが当該路線の本格的な整備着手を祝った。30年度は調査設計を推進する。
◆ 国道218号高千穂日之影道路(国土交通省)
国道218号高千穂日之影道路は、線形不良箇所の解消や防災対策、交通事故の低減等を目的として整備するもの。高千穂町三田井を起点、日之影町七折を終点とする延長5.1㎞の2車線道路。全体事業費は約248億円で、平成30年3月末時点における進捗率は、用地ベースで100%、事業費ベースで約79%となっている。
30年11月には大平山トンネル(2,306m)を含む雲海橋交差点~日之影深角IC間の約2.8㎞が開通した。残る日之影深角IC~平底交差点間(約2.3㎞)で、新平底トンネル(1,665m)の本体工事や路線の改良工事などが進む。30年度はこのほか、深角地区外舗装工、深角地区外道路付属物工等を実施する。
◆ 国道10号都城道路/都城道路Ⅱ期(国土交通省)
国道10号都城道路は、地域高規格道路として整備する都城志布志道路のうち、都城ICと五十町ICを結ぶ延長13.4㎞の自動車専用道路。乙房IC~五十町IC(7.7㎞)を都城道路、都城IC~乙房IC(5.7㎞)を都城道路Ⅱ期と位置付ける。
このうち都城道路に於いては、これまでに平塚~五十町間(1.9㎞)が暫定2車線で開通済であり、30年度には横市IC~平塚IC(2.8㎞)が、33年度には乙房IC~横市IC(3.0㎞)が暫定2車線で開通する予定となっている。
事業の進捗に伴い、軟弱地盤対策や地下水対策及び浸食対策の追加が必要となったため、事業費に48億円を増額し、全体事業費は404億円となった。これを踏まえた30年3月末時点の進捗率は、用地ベースで100%、事業費ベースで約66%となる。
一方、長大橋(橋長250m)を含むⅡ期地区の全体事業費は160億円。30年3月末時点の進捗率は、用地ベースで約53%、事業費ベースで約13%となっている。今年度は調査設計や高木地区外用地買収、金田地区改良工などを推進する。
◆ 国道220号日南防災(北区間)(国土交通省)
大雨等の異常気象時に通行規制の対象となる国道220号の宮崎市内海~日南市富土区間を一部現道を活用してバイパスで整備する。整備延長は2.6㎞で、幅員は10.5m(2車線)。全体事業費は80億円。平成30年3月末時点の進捗率は、用地ベースで約54%、事業費ベースで約29%となっている。
区間内の鶯巣地区と伊比井地区にトンネル(鶯巣地区882m、伊比井地区724m)を整備するほか、鶯巣地区に橋梁を設ける。30年11月には伊比井地区の伊比井潮風トンネルが貫通した。30年度は調査設計や支障物件移設補償、伊比井地区改良工、伊比井トンネル工、伊比井トンネル舗装工を推進する。
◆ 大淀川河川改修事業(国土交通省)
一級河川大淀川の直轄管理区間(L=86.1㎞)に於いて、築堤や浸透対策、護岸整備等を実施すると共に、水防災意識社会再構築に関する取り組みとして、越水時に堤防決壊までの時間を少しでも引き延ばすための危機管理型ハード対策等に取り組む。
全体事業費は518億円。30年度は、八重川地区に於いて築堤(L=300m)や地盤改良・基礎工(L=150m)、係留桟橋1箇所、浸水対策等(L=1,400m)に取り組むほか、金田地区の裏法尻補強(L=1,200m)等を推進する。
◆ 五ヶ瀬川河川改修事業(国土交通省)
一級河川五ヶ瀬川の直轄管理区間(L=28.5㎞)に於いて、河道掘削や築堤、浸透対策などを実施する。全体事業費は280億円。30年度は松山地区の河道掘削(V=5,000m3、用地A=0.8㌶)、天下地区の防災ステーション整備(33年度完成予定)、中の瀬地区のゲート高速化2施設等を推進する。
◆ 大淀川水系直轄砂防事業(国土交通省)
豪雨時に発生する山腹崩壊や土石流等に起因する災害から流域住民の生命や財産を守るため、高崎川流域と庄内川上流域において整備対象土砂量約150万m3を目標に砂防堰堤等を整備する。流域面積は2,230km2、全体事業費は541億円を見込む。
30年度は、荒襲川砂防施設群(31年度完成予定)、荒川内川砂防施設群(30年度完成予定)、湯之元川砂防施設群(31年度完成予定)、高崎川砂防施設群(33年度完成予定)のほか、砂防設備設計及び用地取得(A=1.5㌶)等を推進する。
◆ 細島港外港地区南沖防波堤(国土交通省)
県北開発の拠点として重要な役割を担う細島港において、入出港船舶の安全を確保し、港内の静穏並びに荒天時における施設の防護を図るとともに、荷役作業の効率性及び安全性を向上させるため、外港地区に防波堤を整備する。
南沖防波堤の整備延長は600mで、全体事業費は618億円。年次的にケーソンや消波ブロックの製作・据付工事、上部コンクリート工事を実施する。計画では平成30年代後半の事業完了を目指す。
◆ 宮崎海岸保全施設(国土交通省)
海岸侵食に脅かされる背後地の安全・安心を確保するため、浜幅50mの確保を目標に埋設護岸や突堤等の整備を実施する。直轄施行区域は動物園東地区(L=5,017m)と大炊田海岸(L=1,839m)の合計6,856mで、全体事業費は230億円を見込む。
これまでに、▽突堤75m(計画300m)▽補助突堤①42m(同150m)▽補助突堤②50m(同50m)▽埋設護岸2,540m(同2,700m)―の整備が完了。30年度は、補助突堤①の延伸(約10m)や残る埋設護岸160mの施工のほか、流入土砂を増やす養浜にも取り組む。
◆ 宮崎西環状線古城工区(宮崎土木事務所)
主要地方道宮崎西環状線は、宮崎市芳士の国道10号を起点、宮崎市中村西の国道220号を終点とする延長約15kmの主要地方道。市街地西側の環状道路を形成し、都市内の交通渋滞を緩和する共に、市街地周辺地域における円滑な交通を確保する。
このうち古城工区は、宮崎田野線と国道269号加納バイパスを結ぶ区間。整備延長は1.2㎞で、区間内には橋梁2箇所(1号橋=約130m、2号橋=約280m)やボックスカルバート2基を整備する。全体事業費は約58億円で、平成36年度の完成を目指す。
平成20年度の着手から地元との協議に時間を要したため事業が長期化。進捗率は、28年度末の事業費ベースで14.7%、29年11月末の用地ベースで32.3%。用地取得を推進し、土工部の工事を先行して進める。橋梁部は31~36年度にかけて整備する見通し。
◆ 学園木花台本郷北方線山下工区(宮崎土木事務所)
一般県道学園木花台本郷北方線は、宮崎学園都市の中心部を起点とし、主要幹線である国道220号南バイパスとを結ぶ約4.5㎞の路線。沿道周辺には大学・高校などの教育施設や住宅団地などが立地し、全線が開通すれば利便性の大幅な向上が期待される。
路線内のうち、清武川周辺の山下工区が唯一の未整備区間となっており、並行する県道中村木崎線等が代替路線として使用されている。山下工区を整備することで全線が開通し、大規模災害時の救助・救援ルートの確保や周辺の渋滞緩和につなげる。
整備延長は約1.2㎞(2車線・両側歩道)で、全体事業費は約40億円。清武川を渡河する延長400m程度の橋梁を整備する計画で、同橋の予備設計が完了している。30年度は物件等調査や用地測量を実施。年次的に各種業務や工事を進め、平成35年度の完成を目指す。
◆ 木脇高岡線太田原・宮王丸工区(高岡土木事務所)
一般県道木脇高岡線は、国富町と宮崎市高岡町を南北に結ぶ約7.0㎞の路線。このうち未整備区間の解消や東九州自動車道へのアクセス強化を目的とした太田原・宮王丸工区の整備延長は約2.2㎞を計画する。全体事業費は約46億円。
これまでに宮王丸工区内の710m区間を部分的に供用済。平成38年度の事業完了を目指し、盛土構造による道路整備や宮王丸橋(L=244m)、宮王丸高架橋(L=44m)、明久川橋(L=21m)の整備に年次的に取り組む。事業進捗率は28年度末時点で約35%。
字図混乱地の整理や河川内民地の特定に時間を要したため事業が長期化しており、未買収地取得後に橋梁工事に着手する。30年10月に明久川橋のA2橋台工を発注した。
◆ 国道448号石波工区(串間土木事務所)
国道448号は鹿児島県指宿市を起点に、串間市、日南市を経て宮崎市に至る路線。地域振興や地域経済を支え、串間市内の観光地にアクセスする路線であると共に、宮崎県地域防災計画の中で第2次緊急輸送道路に指定されている。
名谷バイパスに接続する石波工区(串間市)は、異常気象時の事前通行規制区間であり、地すべり地形を成している。このため、力強い経済の浮揚、定住自立を図る地域の発展、安全・安心な暮らしの確保を支援する道づくりとして路線を整備する。
計画延長は3.2㎞(全幅7.5m)で、全体事業費は80億円程度を想定。区間内のうち、山間部を貫く約2.6㎞をトンネルで整備する。トンネル1mあたりの施工費用を250万円~300万円と概算する。30年3月に同トンネルの詳細設計を発注した。
◆ 国道447号真幸工区(小林土木事務所)
国道447号は、えびの市から鹿児島県伊佐市を経由して出水市に至る路線。県境の山間部は隘路であり、急カーブが多数点在する交通難所であるため、宮崎県側を真幸バイパス、鹿児島県側を青木バイパスとして各県がそれぞれ整備する。
本県区間の整備延長は3.2㎞(幅員7.5m)。起点側の約600m区間を既に部分供用しており、残区間は約2.6㎞となる。残区間にはトンネル1箇所(約1,800m)や橋梁3箇所(4号橋34m、5号橋31m、6号橋40m)を整備する。全体事業費は約105億円。
これまでに真幸トンネルの詳細設計や水文調査、高密度弾性波探査業務等を発注済み。平成30年度は、仮設道路工事や橋梁部の地質調査業務、真幸4号橋(PC単純プレテン床版橋)の積算技術業務などを委託した。
◆ 飯野松山都城線金御岳工区(都城土木事務所)
一般県道飯野松山都城線は、鹿児島県志布志市を起点とし、都城市甲斐元町の国道10号を終点とする延長約21㎞の路線。切土・盛土を中心とする金御岳工区は、平成30年2月に供用を開始した梅北工区の終点から鹿児島県境までの2.9㎞(全幅12m)となる。
主要構造物は橋梁1箇所とボックスカルバート11基。当初計画で48億円としていた全体事業費は、梅北工区で使用する予定だった残土の処理費が必要となったことや人件費及び資材費の高騰等により、当初から30億円増となる78億円と見積もる。
増額した全体事業費に対する進捗率(29年度時点)は、事業費ベースで約35%、用地ベースで91%。ボックスカルバートの整備や盛土工、切土工、舗装工等を順次進め、早期の供用開始を目指す。
◆ 高城山田線王子橋・志和池工区(都城土木事務所)
県道高城山田線は、都城市の高城町と山田町を結ぶ延長約8㎞の主要地方道。宮崎県の地域防災計画で第2次緊急輸送道路に指定されており、防災の上でも重要な路線であるが、王子橋を含む区間内の約1.4㎞が唯一の未改良区間となっている。
小中学校の通学路であるが当該工区に歩道はなく、王子橋は経年劣化が進むと共に、幅員が狭いことから事故の危険性も高い。周辺に工業団地等が立地していることを踏まえ、安全・安心の確保や経済の浮揚を支援する道づくりに取り組む。
整備延長は、王子橋の架け替え(橋長257m・鋼5径間連続非合成鈑桁橋)と取付道路等の整備を行う王子橋工区が0.76㎞、現道に歩道を整備する志和池工区が0.7㎞。全体事業費は約50億円を見込む。事業期間は平成30年度から40年度までの10年間。
30年度は王子橋の詳細設計業務や王子橋工区の道路詳細設計業務及び地質調査業務、志和池工区の地形・路線測量業務や道路詳細設計業務を委託した。
◆ 国道219号岩下工区(西都土木事務所)
熊本市から宮崎市に至る国道219号の中で、岩下工区は一ツ瀬ダムの北側に位置。台風等の異常気象時に落石や路肩決壊に伴う交通途絶が発生し、既設のトンネル部は大型車の離合が困難な状況にあるため、路線の整備に取り組む。
整備延長は約1㎞(全幅7m)で、現道の一部を改良しつつ、山間部に迂回するルートをとる。迂回部分に延長611mのトンネルを新設するほか、区間内には岩下橋(84m・鋼上路式単純トラス橋)や鋼製桟道(36m)を整備する。全体事業費は約41億円。
これまでにトンネル及び橋梁の詳細設計や構造物詳細設計、地質調査、測量等業務のほか、一部の道路改良工事や岩下橋下部工、防護柵設置工事を実施。30年3月に鋼製桟道工事、同年9月に岩下橋上部工工事をそれぞれ発注した。
◆ 東郷西都線松尾工区(高鍋土木事務所)
主要地方道東郷西都線松尾工区は、日向市東郷町と木城町中心部のほぼ中間地点に位置。地域にとって必要不可欠な生活道路であるが、幅員が狭く、災害等による通行規制も発生しているため路線改良を行う。
当初の事業計画による整備延長は1.9㎞(幅員7m)。区間内には、橋長128mのこぶところ大橋(鋼単純ローゼ橋)、同32mの松尾2号橋(ポステン単純PC中空床版橋)の整備を計画している。両橋とも詳細設計が完了している。
平成25年度より一部工事に着手しており、道路改良工事や法面工事、舗装工事などを進めている。30年度は空中写真測量の数地図化を含む急峻山地区間の道路予備設計(1.1㎞)や道路改良工事に係る積算技術業務を委託した。
◆ 国道327号佐土の谷工区(日向土木事務所)
国道327号は日向市を起点とし、美郷町、諸塚村、椎葉村を経由して熊本県に至る路線。このうち佐土の谷工区は、椎葉村と諸塚村の境界付近に位置しており、幅員狭小の隘路区間を解消し、安全で円滑な交通の確保を図ることを目的に路線の整備を進める。整備延長は3.4㎞(幅員7m)で、概算事業費は約72億円を見込む。
主要構造物は、トンネルが▽1号=179m▽2号=229m▽3号=988m▽4号=718m―の4箇所。橋梁は▽1号=17m(PCプレテン中空床版橋)▽2号=51m(ポステンPC単純箱桁)▽3号=125m(PCTラーメン箱桁)▽4号=60m(鋼単純鈑桁)▽5号=88m(ポステンPC2径間連続箱桁)▽6号=30m(PC単純ポステン少主桁)―の6箇所。
トンネルに関しては、1号トンネルと2号トンネルの本体工事を発注済。橋梁に関しては、2号橋の上下部工、3号橋の下部工、4号橋の上下部工を発注している。30年度は道路改良工事や舗装工事等のほか、第4四半期に1号トンネル照明設備工事や佐土の谷工区費用対効果分析業務を発注する見通し。
◆ 国道265号十根川工区(日向土木事務所)
国道265号十根川工区(椎葉村下福良)は、椎葉~五ヶ瀬間の唯一の未改良区間をバイパスと現道拡幅で整備するもの。整備延長は約2.8㎞(幅員7m)で、区間内にはトンネル2箇所(394m、662m)や十根川橋(9.4m・PC単純プレテン床版橋)の整備を計画する。
これまでに両トンネルの詳細設計や橋梁予備・詳細設計、道路詳細設計、路線測量業務、地質調査業務、構造物詳細設計を発注し、一部区間の道路改良工事や舗装工事のほか、十根川橋下部工事や吊り橋撤去工事等を進めている。
◆ 国道327号永田工区(日向土木事務所)
国道327号は日向市を起点とし、美郷町、諸塚村、椎葉村を経由して熊本県山都町に至る幹線道路。平成27年度に新規着手した永田工区は、日向バイパスと接続し、国道327号から東九州自動車道の日向ICを繋ぐ路線として整備する。
整備延長は約3㎞(幅員11.5m・2車線)で、起点側の日向IC付近から西北西にルートを取り、国道327号に接続するバイパスを新設する。区間内には延長700m程度のトンネルを整備する方針。全体事業費は約45億円を見込み、33年度の完成を目指す。
29年度までに道路設計や測量、地質調査、1号橋詳細設計(橋長35m・PCポステン単純T桁)、構造物詳細設計、物件等調査業務等を発注。30年度はパイプライン移設工事のほか、用地測量業務や2号橋の地質調査業務等を委託した。
◆ 国道388号松瀬工区(日向土木事務所)
国道388号松瀬工区は門川町と美郷町の境から門川町庭谷に至る区間に位置。線形不良や幅員狭小による狭隘区間を解消し、救急医療など沿線地域の生活と福祉の支援、地域間交流の活性化、安全・安心な生活環境の確保を目的に路線の整備を行う。
全体計画では、門川町庭谷から美郷町北郷黒木までの5.8㎞を整備する方針でいるが、長区間の整備により事業の長期化を防ぎ、事業効果を早期に発現させるため、門川町庭谷から町境までの3.9㎞を松瀬工区と位置付け、優先的に整備を行う。
事業期間は平成31年度から38年度まで。全体事業費は約56億円を見込む。松瀬工区内に於いては、五十鈴川に沿って走る現道の拡幅改良を行いつつ、トンネル1箇所(延長210m)や橋梁2箇所(各90m)を整備することで、線形不良箇所の解消を図る。
一方、町境から美郷町北郷黒木の1.9㎞区間は、松瀬工区の進捗状況等を鑑みて事業に着手する。主要構造物として、トンネル2箇所(660m、130m)や橋梁1箇所(30m)の整備を計画しており、これを含む路線全体の事業費を約95億円と試算する。
◆ 北方北郷線川水流橋工区(延岡土木事務所)
主要地方道北方北郷線は、延岡市北方町を起点とし美郷町北郷区に至る路線。唯一の未整備区間である川水流橋工区は延長400m程度で、老朽化が進む既設の川水流橋(270m)は幅員が狭く、大型車の離合が困難な状況にある。
計画では、川水流橋上流部に新橋を架設し、北方北郷線と接続する道路を含めた一体的な整備を行う。整備延長は440m(幅員9m)で、このうち新橋は延長273m(有効幅員9.5m)の鋼5径間連続非合成箱桁橋を計画する。全体事業費は22億円程度。
平成29年度までに新橋の詳細設計や地質調査、景観検討、用地測量、構造物詳細設計、旧橋撤去設計、地質調査解析等を発注し、30年度は道路改良工事や新橋のA1橋台工事、川水流橋の施工計画修正検討業務等を発注した。
◆ 森林基幹道古枝尾・向山線(東臼杵農林振興局)
当該路線の計画地は椎葉村不土野地区で、利用区域面積は約529㌶。下刈りなどの保育が必要な林分や伐期を迎えた林分が多数を占めるが、幹線となる道路が整備されておらず、木材の搬出や下刈り等の森林整備の実施に支障を来しているほか、自然災害で道路が寸断され、点在する3つの集落が孤立状態に陥ったこともある。
森林基幹道を整備することで、効果的な森林施業の推進や生活環境の改善を図るほか、非常時に於ける迂回路としての機能も期待する。計画延長は椎葉村不土野古枝尾を起点、同向山日添を終点とする9㎞(全幅4m)。新設区間は4,588mで、残る4,412mは既設の村道や作業道を改築して整備する。全体事業費は約16億円を見込む。
平成29年度に全体計画調査や一部区間の測量設計委託業務を実施しており、30年度は現場技術業務や測量設計委託業務のほか、一部区間の開設工事も発注した。順次、整備に必要となる各種業務や工事を進め、平成39年度の事業完了を目指す。
◆ 竹田五ヶ瀬線波帰之瀬工区(西臼杵支庁)
主要地方道竹田五ヶ瀬線波帰之瀬工区(五ヶ瀬町~高千穂町)は、幅員が狭く線形不良箇所が連続しているうえ、大型車両の通行止区間となっている。このため、安全で円滑な交通や安定した輸送ルートの確保などを目的に道路改良を行う。
整備延長は1.4㎞(幅員7m)で、山間部を切り拓く直線ルートを計画する。区間内には五ヶ瀬川を渡河する橋梁(橋長407m・3径間連続PCラーメン箱桁)を整備する。全体事業費は約44億円。平成26年度から事業に着手し、33年度の整備完了を目指す。
29年度までに新橋の詳細設計や物件等調査、地下水調査、道路詳細設計のほか、一部道路改良工事を発注しており、30年度も引き続き、道路改良工事を継続して発注している。橋梁工事の着手時期は現時点で不明。
◆ 森林基幹道高千穂・日之影線(西臼杵支庁)
効率的な林業施業の推進や生活環境の改善を目的に、高千穂町大字押方を起点、日之影町大字岩井川を終点とする約4万mの林道整備に取り組む。利用区域面積は3,001㌶(うち民有人工林1412㌶)で、平成37年度までの10箇年で▽主伐=117㌶▽間伐=198㌶▽造林=71㌶▽保育344㌶―などの森林整備を実施する。
林道に関しては2万3,600mを新設、1万7500mを改築で整備する方針。車道幅員は4m、全幅は5m。区間内に計画する(仮称)乙女橋は橋長114mのPC2径間連続Tラーメン箱桁橋で、下部工は逆T式橋台2基とラーメン橋脚1基で構成する。A1橋台工は30年11月に発注済、P1・A2下部工は12月28日に開札した。
事業期間は平成29年度から47年度までの18年間。全体事業費は約70億円を見込む。今年度第4四半期には総合評価落札方式で4-3工区(仮桟橋)工事を発注する見通し。
【おわり】