▲写真は出前講座、ふれあい体験の模様
日向地区建設業協会青年部(坂本浩一部長)は12月11日、美郷町立美郷北学園で土木イベント「小学生と働きたーい!!」を開いた。宮崎県日向土木事務所の協力の下、同校の3・4年生21人を対象に出前講座やふれあい体験を行い、土木の魅力をPRした。
イベントは、キャリア教育の一環として働くことの意義を学び、啓発的経験や進路意識の伸長、知識及び技術の習得に対する関心を高めると同時に、土木に対するイメージアップや魅力の発信、公共事業の役割を知ってもらおうと青年部が取り組んでいるもの。
日向土木事務所の担当者が行った出前講座では、安全で走りやすい道路を造るため、狭くて曲がりくねった道にトンネルを掘ったり、橋を架けたりするなどしていることを説明。橋の仕組みや下部工・上部工の進め方、舗装の方法を写真を使って説明した。
また、幅が狭い道路を拡げるために山を削り、崖や斜面が崩れないように工夫を施していることを説明。道路を綺麗にすることも土木の仕事であり、沿道の草刈りを行って景色を見えやすくしたり、花を植えて気持ちの良い空間を造っていることを紹介した。
このほか、渓流部で発生した土砂災害の模様を映像で示し、災害から生命や財産を守るため、砂防堰堤を整備するなどしていることを説明。被災した河川の護岸が元に戻るまでの作業内容を順を追って紹介し、土木の果たす役割や重要性を生徒達に伝えた。
降雨のため、予定を変更して行われたふれあい体験では、3つの班に分かれて▽レンガと砂を使ったアーチ橋造り▽測量機器を用いた距離当てゲーム▽ドローンの操縦―にそれぞれ挑戦。各ブロックで日向地区建設業協会の青年部員が指導にあたった。
アーチ橋造りでは、レンガと砂を使って橋を完成させ、友達の手を借りるなどして慎重に渡っていた。指導にあたった青年部員は、一つずつレンガを抜き取りながら、隣り合うレンガが互いに支え合っているため、乗っても橋が崩れないことを説明した。
距離当てゲームでは、トータルステーションで長さや高さが確認できることを生徒達に説明し、生徒が自身の歩幅で距離を予測した。ドローンの操縦では、仕組みや機能を青年部員が説明。初めてコントローラーを扱う生徒からは笑みがこぼれていた。
閉会式では、距離当てゲームの成績が優秀だった生徒にテトラポットのぬいぐるみが贈られた。代表して挨拶した生徒は「大きな機械を動かす仕事に就きたいと思った。将来、皆さんと一緒に働くことができたらきっと嬉しいと思う」と元気よく話した。
担い手不足や技術の継承など、建設業が抱える様々な課題を踏まえ、青年部の坂本部長は「土木が果たす重要な役割や魅力を伝えることで、子ども達に土木に対して興味を持って欲しい。その上で、建設業が将来の選択肢の一つになれば」と期待を込めた。