▲写真は講師の三宅昌規氏、説明会の模様
一般社団法人宮崎県建設業協会(山﨑司会長)は10月26日、宮崎市内で公共事業労務費調査に係る最終説明会を開催した。本年度の調査対象となった県内建設会社の代表や現場代理人、経理担当者等が多数出席し、調査の趣旨や建設業の働き方改革、労務単価の適切な引き上げにつながる職種分類の仕分け方などについて解説した。
労務費調査の対象工事は、国交省や農林水産省などが発注し、10月に施工中の1千万円以上の工事から無作為で抽出。対象工事に従事する技能労働者を51職種に分類し、都道府県別、職種別に賃金を把握する。昨年度から、週休2日制の導入に伴う休業手当てや労働日数の変化を調査項目に追加しており、本年度も継続的に調査する。
説明会の講師を務めた三宅昌規氏(TM安全労務企画)は、宮崎県に於ける単価平均が全国で下から7番目、九州で最下位にあることを踏まえ、「実態に即して単価をアップさせるためには自助努力が必要だ」と指摘。若年層の入職促進のためにも、賃金月額のばらつきがなくなり、生活が安定する月給日給制の導入検討などを呼び掛けた。
一方で、 鉄筋加工組み立てやコンクリートブロック積など市場単価を採用している一部の工種を除き、多くの工種の標準歩掛かりに普通作業員が計上されていることを踏まえ、普通作業員の単価を引き上げる重要性について言及。会社での呼称等に囚われずに、実際の作業内容等を踏まえた上で、職種を吟味する必要があることを訴えた。
このほか、現場で働く労働者の賃金アップに繋げるため、多能工を目指すなどして技能労働者自身が賃金アップのために努力すること、あらかじめ実労働時間(休憩時間)を正確に把握し、就業規則や雇用契約書、労働条件通知書等に記載することを求めるとともに、実物給与や臨時給与の定義なども解説した。