宮崎県舗装協会(河野孝夫会長)は、道路事業に携わる技術者の知識及び技術力の向上を目的とした平成28年度「道路技術講習会」を、17日に宮崎市内で開催した。講習会には、県内建設企業や自治体で働く技術系職員ら約100人が出席し、適切な舗装の維持管理や点検手法などについて熱心に学んだ。
冒頭、挨拶に立った河野会長は「熊本地震をはじめ、今年は全国各地で災害に見舞われた年になった」と指摘し、「本日の講習会が皆様の技術向上の礎となれば幸いだ」と話した。来賓として招かれた宮崎県県土整備部の東憲之介部長は、「災害に強いインフラ整備を目指すため、県土整備行政への協力をお願いしたい」と呼び掛けた。
講習会では、宮崎県県土整備部道路保全課の上田秀一課長が「宮崎県の道路整備」と題して講演。県内道路交通の現況や道路整備に関する宮崎県の考え方を紹介したほか、県内における高速道路やスマートインターチェンジ、地域高規格道路や国県道などの整備状況、舗装の維持管理計画などについて説明した。
国土技術政策総合研究所道路基盤研究室の久保和幸室長は、「道路維持管理に関する最近の動向」「これからの舗装マネジメント」「舗装点検要領の制定」をテーマに講演。道路の老朽化対策など、国内に於ける道路維持管理を巡る状況のほか、アスファルト舗装やコンクリート舗装に係る点検要領の構成やポイントなどを紹介した。
また、「多様化するリサイクル材の有効利用の課題と展望・熊本地震の被害」と題して講演した福岡大学工学部の佐藤研一教授は、循環資源の利用及び処分の基本原則やリサイクル関連法について説明。石炭エネルギーセンターによる石炭灰混合材料の有効利用やガイドライン作成の取り組みとして、九州に於ける事例なども紹介した。