▲写真は出前授業、体験学習の模様
都城地区建設業協会女性部(宮島百合子部会長)は1月15日、都城市立明道小学校で土木に関する出前授業と体験学習を行った。同校の6年生を対象に、出前授業で建設業が果たす役割や治水の仕組みを紹介したほか、都城市内の建設現場を訪ね、生コンクリートの製造、ミニチュア消波ブロックの作成、建設機械の操縦を体験した
出前授業と体験学習は、子ども達に建設業の役割や魅力を正しく伝え、建設業に興味を持ってもらおうと、女性部が毎年開催しているもの。2005年9月台風14号や2022年9月台風14号により、都城市内で甚大な浸水被害が発生したことなどを踏まえ、今回は「治水博士になろう!」を授業のテーマに掲げた。
出前授業では、「土木の妖怪マツ」こと松永昭吾工学博士が、各地で発生している災害と建設業の役割を説明。水を例に、人類に対して「生きる」「つくる」といった恩恵を与えてくれる一方、「洪水」「干ばつ」「津波」といった弊害があることを解説し、こうした弊害を解決するために建設業が活躍していることを紹介した。
そのうえで、水道の水をそのまま飲むことができる国は、日本を含めて僅かしかなく、世界には水を巡る紛争で苦しんでいる国や、汚れた水をそのまま飲まざるを得ない国が多数あることを説明。ダムや上下水道などの整備を通じて、水を治めることができる土木は、「やさしさをカタチにする仕事」であることを強調した。
一方、「治水博士」として登壇した国土交通省九州地方整備局宮崎河川国道事務所の山﨑宗一郎さんは、過去に発生した浸水被害を写真で説明するとともに、こうした水害を防ぐため▽掘削▽引堤▽嵩上げ▽遊水地▽ダム―といった治水対策が必要であることを模型を使って説明。関係者が一丸となって取り組む流域治水の考え方も説明した。
体験学習は、都北産業株式会社が施工する大岩田遊水地掘削工事(宮崎河川国道事務所発注)の現場で開催。生徒達を前に、宮崎河川国道事務所の担当者は、洪水時にプールのように水を貯めることができる施設を造っていることを説明し、株式会社コマツレンタル宮崎の担当者は、現場で稼働しているICT建機の特長を紹介した。
体験学習では、水と砂、砕石、セメントを混ぜ合わせて生コンを造っていることを学び、スコップを使って生コンの製造に挑戦したほか、消波ブロックが防波提に当たる波の力を抑えていることを学び、型枠にモルタルを流し込んでミニチュア消波ブロックを作成した。このほか、現場技術者の指導のもと、建機の操縦方法も学んだ。
体験学習後には、学校に戻ってパネルディスカッションを行った。パネリストは、治水博士の山﨑さんと宮崎河川国道事務所の畑中一真さん、都城地区建設業協会女性部の四季なるみさん、都北産業の野口憂太さんの4人。松永博士がコーディネータを務めた。
今の仕事に就いたきっかけを尋ねられたパネリストは、「皆の役に立つ大きな仕事をしてみたかった」「地図に残る仕事をしたいと思った」などと回答した。松永博士は、「世の中のどんな仕事も誰かの役に立っている。その中でも、建設業は沢山の人達に幸せを届けられる仕事」とまとめ、建設業のやりがいと魅力を説いた。
参加した生徒は、「世界には水で困っている国が沢山あることを知って驚いた。建設現場で貴重な体験をすることができて、建設業に興味を持った」と話した。女性部の宮島会長は、担い手の確保・育成が喫緊の課題である建設業の現状を踏まえ、「子ども達が建設業を正しく理解し、興味や関心を持つきっかけになれば」と期待を込めた。