▲写真は開会式、競技会の模様
九州・沖縄各県の高校生が溶接技術を競う2025年度「第17回九州地区高校生溶接技術競技会」が、8月3日に宮崎市佐土原町の宮崎県工業技術センターで行われた。各県の代表に選ばれた21校41人(うち女性7人)の選手が交流を深めるとともに、熱い「火花」を散らしながら、授業や練習で培った溶接技術を競い合った。
大会は、溶接技術の向上や溶接技能者の育成を図ることなどを目的として、毎年、各県の持ち回りで開催しているもの。一般社団法人日本溶接協会九州地区溶接技術検定委員会と九州地区工業高等学校校長会、九州地区溶接協会連絡会が主催し、宮崎県及び宮崎県教育委員会が後援した。主管は一般社団法人宮崎県溶接協会が務めた。
前日の開会式で挨拶に立った連絡会の碕山裕和会長(※碕は石へんの﨑)は、「ライバルは自分自身。常に自己新記録を目指して」と述べるとともに、「地域の垣根を越え、互いに切磋琢磨し、高め合う場所になることが、次代の溶接技術の発展に繋がる」として、仲間との絆やものづくりへの誇りを高めてもらうよう呼び掛けた。
校長会の北島弘明会長は、溶接があらゆるものづくりの根幹を為す重要な工業技術であることを強調。先人が強い信念と誇りを持ち、技術の伝承と発展に努めてきたことや、溶接技術が社会の基盤を築き、人々の夢を形にする力を持っていることを心に刻みつつ、「将来は皆さんの故郷や九州で溶接技術者として活躍して」と期待を込めた。
主催者として検定委員会の山口富子委員長が挨拶(代読)を行ったのち、来賓として招かれた宮崎県教育庁高等教育課産業教育担当の毛利雅世氏が挨拶。毛利氏は、「応援している保護者や指導教諭への感謝の気持ちを胸に、『今』に集中して平常心を保ちながら、これまでの成果を十分に発揮してベストを尽くして」とエールを送った。
昨年度の優勝県から優勝旗が返還されたのち、出場選手を一人ずつ紹介。選手宣誓で宮崎県立日向工業高等学校の甲斐千陽さんは、「溶接技術を身に付ける訓練が、高校生活でとても大切な一時になっている。その集大成として、自分達の持てる技術を十二分に発揮し、九州全体の溶接技術が高いということを証明する」と誓った。
開会式の会場には、現代の名工を受賞している甲斐邦廣さんが溶接技術を用いて作製したサッカーボールのほか、株式会社池上鉄工所の小野毅さんと田上裕介さんが作製した人気アニメのキャラクターを描いた作品を展示。碕山会長が製作に至った経緯や作製時に使用した技術、作製者の談話などを選手達に紹介した。
開会式後には、選手達による交流会も開催。株式会社MFE HIMUKAの島原俊英取締役会長が進行役を務め、大会で優勝したことを想像しながら、選手同士がヒーローインタビューをしあったり、6人1組になって大会での目標や自身の強み、将来の夢を発表するなどして、緊張を解きほぐしながら交流を深めた。
翌3日に行われた競技会の課題は、制限時間30分の中で、被覆アーク溶接により厚さ9㍉の鋼板2枚を溶接するもの。表・裏面のビードの状態や欠陥等による外観試験と、2枚の試験片を採取して行う曲げ試験の合計点を競う。選手達は、審査員の厳しい視線が注がれる中、「熱い火花」を散らしながら、真剣な面持ちで課題に取り組んだ。
今大会は、高校生ものづくりコンテスト九州地区大会(溶接部門)を兼ねて開催。本県からは、県立日向工業高等学校、県立小林秀峰高等学校、県立延岡工業高等学校から9人が出場した。今大会で最優秀賞を受賞した選手1人が、九州地区の代表として今年11月に徳島県で開催される高校生ものづくりコンテスト全国大会に出場する。