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省人化・生産性向上、建設Dが遠隔無人化施工 旭建設

      

▲見学会の模様(現場)、(本社側)

 日向市の旭建設株式会社(黒木繁人代表取締役社長)は8月8日、同社が施工する延岡市の五ヶ瀬川河道掘削工事の現場で、遠隔無人化施工の見学会を行った。行政や民間企業の職員、地元高校生ら約70人が参加し、直線距離で約16㎞離れた本社DXルームから、若手女性技術者がリアルタイムで現場のバックホウを遠隔操作する模様を見学した。

 少子高齢化に伴う慢性的な人手不足や重機オペレーターをはじめとする熟練技能者の高齢化が課題となる中、建設業界では若手・女性技術者や未経験者など多様性のある働き方が求められている。一方で、激甚化・頻発化する自然災害への迅速な対応や、危険な場所での安全かつ効率的な作業環境の構築も喫緊の課題となっている。

 こうした課題への対応として同社は、大規模かつ長距離の遠隔無人化施工に挑戦。施工の効率化・最適化による作業時間の短縮や、危険区域での安全性の確保を図り、複数現場での対応可能性を検証して、省人化に繋げる。単なる技術導入にとどまらず、建設業界が直面する将来的な課題の解決と、持続可能な社会の実現に向けた一歩と位置付ける。

 見学会では、同社の木下哲治取締役専務が、遠隔無人化施工のシステムや検証・分析結果、などを説明。現場と本社DXルームを光ファイバーや中継基地局を使ってネットワーク化し、バックホウに搭載した車載カメラや俯瞰用モニターカメラの映像、MCモニターを確認しながら、オペレーターが遠隔操作で掘削作業を行う様子を見学した。

 オペレーターを務めたのは、重機操作未経験だった建設ディレクターの馬越想代香さん。7月6日~11日に車両系建設機械技能講習を修了し、その後、現場での搭乗によるリモコン操作やDXルームから長遠隔操作を行うなどして、見学会に臨んだ。

 遠隔施工のオペレーターを務めた馬越想代香さんは、「女性の私でも簡単に遠隔操作をすることができた。こういう働き方がもっと広まるといい」と話した。

 一方、見学会に参加していた県立延岡工業高等学校土木科の鈴木崇斗さんは、「遠隔操作は授業では習っていないけど、実際に見学して理解が深まった。建設業に就職を希望しているので、将来、このような施工に携われるようになりたい」と話した。

 同社は、バックオフィス業務を担う女性技術者(建設ディレクター)が遠隔操作で現場を支援することで、「情報通信技術の革新による施工の高度化」と「若手・女性・未経験者など多様な人材」を融合し、安全で持続可能な建設業界の未来を創造することを将来ビジョンに掲げる。今回の取り組みを通じて、持続的な技術検証と改善点を明確にし、地域建設業の可能性を広げながら、地域と社会に貢献していくとしている。