▲写真は挨拶する橋邉社長、大会の模様
第一建設株式会社(橋邉正之代表取締役社長)は6月27日、2025年度「第67回安全衛生大会」を宮崎市の本社会議室で開催した。年間スローガンに掲げる「共に顔晴ろう、笑顔で約束、ゼロ災宣言」のもと、社員と協力会社が一体となって、無事故・無災害の達成に向けた取り組みを推進することを確認した。
挨拶で橋邉社長は、25年度の経営スローガンに掲げる「一瞬もいつまでも安全に ダイイチから私らしさを新しく」を安全に置き換えて説明。スローガンに「朝家を出てから帰宅するまで安全に過ごすこと」や「自分らしさ、新しいことに気付いてもらいたい」などの思いを込めていることを紹介した。
一方で、同日に6月としては70年ぶりの梅雨明けが宣言されたことを踏まえ、「逆に言えば70年ぶりの異常な猛暑が迫っている」と指摘。「熱中症に関する知識を習得し、対策を実践するとともに、チームで共有することが重要」とした上で、「ゼロ災害の達成に向けて経営者として邁進していく」と誓った。
表彰式では、労働安全標語と交通安全標語の入賞作品を考案した▽野々村隆志氏(企業警備保障)▽清水誠氏(九州中川ヒューム管工業)▽山口基礎工事▽中村トオル氏(豊重鉄筋)▽井上浩次氏(コマツレンタル宮崎)▽松浦一輝氏(第一建設)▽橋邉亜由美氏(前同)▽田原誠氏(前同)―を表彰した。
25年度の安全衛生管理方針を発表した安全衛生部の橋邉堅斗本部長は、三大災害の絶滅と交通災害の防止を最重要目標に掲げ、特に施工計画事前調査の徹底やハーネス型安全帯・ロリップ等の使用開始前確認の徹底、現場の安全運転管理体制の確立、危険予知リスク排除活動「K・Y・RK」の完全定着などを呼び掛けた。
橋邉本部長はこのほか、九州森林管理局管内で発生した重大災害の事例を説明。全員が集まる朝礼時に危険箇所を共有すること、人員を適正配置することの重要性を訴えた。
DX推進室の松浦一輝課長は、「BIM/CIMを活用した生産的安全管理」をテーマに講演。3Dモデルを使って視覚的に説明できるため、地元住民や発注者、事業者間の理解促進と合意形成がスムーズになるほか、危険箇所や作業手順を事前に3Dで確認できることから、事故のリスク低減にも繋がるなどと説明した。
また、実際にBIM/CIMを活用した結果として、従来手法と比べて現場代理人の仕事が大幅に効率化されたことを説明。便利なツールではあるが、そのデータを作成するためには、設計・施工の知識はもちろん、ソフトウェア操作や3Dデータの扱いに関するスキルが必要になるとして、現場を支える人材のアップデートも必要とまとめた。
安全の誓いを述べた落合収氏は、災害復旧工事を含めた発注額が増加する中、安全管理体制の活性化が喫緊の課題であるとして、「人命尊重という人類普遍の基本理念に基づき、組織と個人が『災害ゼロから危険ゼロ』を常に目指し、快適な明るい職場づくり、働く者の安全と健康づくりを積極的に推進する」と力強く宣言した。
大会ではこのほか、全国健康保険協会宮崎支部の村留伊津美保健師が、熱中症の予防や生活習慣病対策について説明。生活習慣病の予防に関しては、適正体重を維持することやバランスを考えて食事をすること、塩分や糖分を摂りすぎないこと、アルコールは適量に抑えること、適度に運動すること、禁煙することをポイントに上げた。