建設ネット企画画像 四角 四角

ゼロ災達成へ安全の取組を習慣化 矢野興業グループ

      

▲写真は挨拶する矢野会長、矢野副会長、表彰式の模様

 株式会社矢野興業(矢野智久代表取締役社長)をはじめとする矢野興業グループは、6月6日に宮崎市内で2025年度の「労働安全衛生推進大会」を開催した。今期の安全目標に「綺麗な現場で安全作業 整理整頓身に着けて みんなで築く危険ゼロ」を掲げ、グループ一丸で無事故・無災害の達成に邁進していくことを固く誓った。

 主催者挨拶で矢野興業グループの矢野智久副会長は、表彰受賞者の努力と功績に敬意を表し、他の職員の模範となるよう、益々の活躍を期待した。また、6月1日から職場に於ける熱中症対策を強化するため、企業への対策義務化が施行されたことを紹介。労働安全に関する対策と合わせて、一層の取り組みを展開していく姿勢を示した。

 矢野副会長は、企業の経営使命が「無事故・無災害、そして心身ともに健康で過ごし、公私ともに安全な日常を送ること」と強調。今大会を契機に、「これからも経験と感性を積み重ね、労働災害ゼロを達成できるよう、各々が災害リスクを洗い出し、安全対策・安全意識の向上を徹底し、取り組みを習慣化してもらいたい」と述べた。

 一方、矢野興業グループの矢野文昭会長は、半世紀にわたるグループの歴史を振り返りつつ、目標を持つことの重要性を強調。当時はかなわないと思っていた目標でも、時間が経つにつれて達成に近づいてくるとして、人の考え方に流されるのではなく、目の前に明確な目標を持つことが、自分自身だけでなく、会社の成長にも繋がると述べた。

 表彰式では、永年勤続表彰や品質・安全・納期・信頼の全てで優れた現場リーダーを表彰する施工MVP表彰、チームで協力しながら、前向きな姿勢で仕事に取り組んでいる者を表彰するベストワーカー賞、セーフドライバー賞、安全衛生スローガン表彰の受賞者(後記参照)に対して、表彰状と記念品が贈られた。

 大会では、東京海上日動火災保険株式会社宮崎支店の足立薫氏を講師に招き、「サイバー攻撃と情報漏えいへの対策」をテーマに講演。コンピューターやネットワークに不正に侵入し、データ損壊や改ざん、情報の盗取、システムダウンによる障害等の損害を与えるサイバー攻撃の種類や攻撃事例、防御体制、事後の対応などを解説した。

 足立氏は、建設業で特に狙われやすい攻撃手段が、PC内のファイルを暗号化したり、ロックするなどして、元に戻すことと引き替えに身代金を要求するランサムウェアであることを説明。建設業務は工期が長く、それ故にシステム停止による被害が甚大であるため、「身代金を払う可能性が高い業種」として標的にされやすいことを解説した。

 サイバー攻撃や情報漏えい対策として留意すべきポイントには、ソフトウェアを最新の状態に保つこと、IDやパスワードを適切に監理すること、不審なウェブサイトを閲覧しないことなどを例示。サイバー攻撃が疑われる場合には、すぐに組織の担当者に連絡することが重要であり、組織全体で意識と対応力を向上させることが必要と説いた。

 表彰受賞者は次のとおり(敬称略)。
▽永年勤続表彰=橋本篤広(矢野興業)、甲斐崇之(前同)、橋本修(前同)、藤本敬太(前同)、押川芳裕(前同)、杉﨑淳(前同)、宮元美佳(前同)、山口順治(三興運輸)、中村能教(前同)、有馬孝博(前同)、菊田政幸(前同)、佐藤毅志(前同)、髙橋政樹(三井工業)
▽施工MVP表彰=坂本伸幸(矢野興業)、大塚智行(前同)、中城仁(前同)
▽ベストワーカー賞=松本幸成(矢野興業)、森末響(前同)、田上晃介(三興運輸)、髙橋秀明(高千穂生コン)、戸上英二郎(三井工業)、溝上哲也(ひなた警備)
▽セーフドライバー賞=興梠保明(矢野興業)、山本さなえ(三興運輸)、松浦一寛(前同)、甲斐正光(前同)、上床清美(前同)
▽安全衛生スローガン表彰=小松龍二(矢野興業)。