▲写真は挨拶する村社会長、有藤支部長、総会の模様
一般社団法人宮崎県建築士事務所協会(村社俊弘会長)は6月6日、宮崎市内で2025年度の定時総会を開催した。総会では、24年度の事業経過や収支決算を満場一致で承認したほか、若年技術者の育成や組織の強化、会員の資質向上、業務報酬基準の普及・啓発等を柱とする25年度の事業計画及び収支予算について報告があった。
挨拶で村社会長は、協会が建築設計業界の発展とより良い住環境の創造を目指して活動を展開していることを説明。一方で、今日の建築業界が多くの課題に直面し、少子高齢化が進む中で若手の人材確保が難しくなっているとして、「建築設計の魅力を伝え、若い世代を引き込む努力が必要だ」と述べた。
また、BIMの活用やAIを活用した設計・施工プロセスの改善といった設計DXの推進に関しては、高額なコストや技術者の育成が課題であり、これを解決するために「業界全体での情報共有や研究が欠かせない」と指摘した。
さらに、今年4月に施行された改正建築基準法について、「新たな基準への対応は設計事務所にとって大きな挑戦であるが、同時に持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩でもある」とした上で、「必要な知識を習得し、新たな設計手法を取り入れるための事業を展開していきたい」と意気込みを述べた。
25年度の事業計画では、建築士事務所の健全な発展と信頼性の向上を図るため、▽研修会や講習会、自己研鑽を通じた資質向上▽次世代を担う若年技術者の育成と組織の強化充実・活性化、会員の増強▽業務報酬基準の普及と啓発▽建築士事務所の活動充実と自立的な監督体制の強化―といった重点事項に基づく各種事業を展開する。
具体的には、建築行政及び他団体への協力と連携、関連他団体と協力した県への要望活動の実施、法定講習の円滑な運営のための協力、民間建築物の木造化・木質化を図るための関連団体との連携強化、設計監理業務に伴うデジタルリテラシーを高めるための研修、建築の低炭素化・省エネ化を図るための講習などに取り組むとした。
また、建築士法の規定に基づく苦情解決業務の円滑な実施、建築士事務所賠償責任保険の加入促進、キャンペーン等を通じた協会PR、建築設計監理業務の啓発、地域社会の環境整備や改善事業、県産材の有効活用に関する検討、会員相互及び他団体との親睦促進のほか、県知事から指定を受けて行う建築士事務所の登録及び閲覧事務に取り組む。
■9月に60周年記念式典開催
総会終了後には、正会員や賛助会員に加え、行政及び関係団体から多数の来賓を招いて懇親会が催された。挨拶で村社会長は、昨年に協会創立60周年を迎えたことを踏まえ、今年9月に記念式典を開催するとともに、会員だけでなく、広く一般も参加できる記念講演会の開催を計画していることを説明した。
来賓祝辞で宮崎県県土整備部の桑畑正仁部長の挨拶を代読した迫節夫次長は、激甚化・頻発化する風水害に加え、南海トラフ地震の発生が危惧される中、被害を最小限に抑えるための建築物の耐震化など、対策の重要性が増していると指摘。県民の生命や暮らしを守るためには「建築関係団体の力添えが不可欠」として、会員の協力を求めた。
懇親会ではこのほか、宮崎県議会の外山衛議長(代読=日髙陽一副議長)、宮崎市の清山知憲市長(代読=小嶋啓太都市整備部長)が挨拶。一般財団法人宮崎県建築住宅センターの森山福一理事長の乾杯の発声で開宴し、歓談や会食を通じて交流を深めた。
■設計事務所の業務や協会PR
一般社団法人宮崎県建築士事務所協会宮崎支部(有藤則秋支部長)は6月7日、宮崎市内で2025年度の定時総会を開催した。総会では、24年度の事業経過や収支決算を原案どおり承認したほか、25年度の事業計画及び収支予算を確認した。
会の冒頭、挨拶に立った有藤支部長は、多数の支部会員の参加や前年度の支部活動に対する理解と協力に感謝の意を示すとともに、総会でのスムーズな議事進行に関して協力を求めた。
25年度の事業計画では、▽行政の受注活動の強化▽地域社会への貢献の具現化、会のPR促進▽賛助会員との交流促進と会の強化―を重点施策に掲げ、発注機関に対する設計事務所の業務及び協会のPR、技術研修会の開催、支部会員座談会の開催、親睦ミニバレー大会や親睦大会の開催などに取り組むことを確認した。