▲写真は出前講座の模様
県内外で幅広く事業展開するF・Cグループ(山下晃司代表取締役)は、4月25日に宮崎県産業開発青年隊で出前講座を開講した。出前講座は同社が定期的に開催しているもの。担い手の確保・育成が喫緊の課題である建設分野に於いて、将来を担う隊員の知識や技術の習得に役立ててもらおうと、隊員37人を対象に講義や実習を行った。
測量や橋梁点検等を手掛けるF・Cコンサルタント部は、「メジャーロードカー」と「ブリッジマスター」を紹介。「メジャーロードカー」は、車載型レーザカメラにより、人員を必要とせず、交通規制も不要で、測定と同時に独自ソフトによる自動解析を行い、数百㎞の延長を1日で調査できる点などを説明した。
橋梁点検車「ブリッジマスター」の紹介では、同型モデルの映像を見ながら、橋梁点検の手法を解説。通常の橋梁点検車では、プラットフォーム部分は人二人分のほどの横幅しかないが、同車はプラットフォーム部分を最大で約7.5メートルまで延長することができ、 歩廊部分を歩いて対象物に近づくことができる。また、車両右側でもアプローチを可能とすることで、追い越し車線右側に車両設置する際のUターンの手間が省かれ、安全性の向上も実現している。
警備事業を展開する株式会社F・Cガードは、人とAI(人工知能)を掛け合わせた「次世代ハイブリッド警備」をテーマに講義を実施。AIの定義を説明したのち、九州内で同社が初めて稼働させたAI警備システム「KB-eye」(ケイビーアイ)について、実際の映像を用いながら、その仕組みなどを解説した。
KB-eyeは、現場にカメラを設置し、AIを使った映像解析で車両や歩行者の動きを判定して、自動でLED看板の表示を切り替えて誘導を行う。現場の交通量に合わせて的確に誘導する機能を搭載。人と機械の良い点を活かすことで、安全かつ効率的な警備を行うことができるとまとめた。
地質調査部は、平板載荷試験の目的やスウェーデン式サウンディング試験の方法、超音波による非破壊検査について説明を行った。
座学後には屋外に移動し、実際に様々な機器を体験。講義で紹介したメジャーロードカーやブリッジマスター、KB-eyeのほか、ハンディプロファイラ「するする君」、3Dスキャナー、非破壊試験、測量用ドローンの実演を見学した。「するする君」は、大型の機械なしに、簡単にわだち掘れや平坦性、距離を計測できることを説明した。
F・Cグループの伊藤次長は、「出前講座は、普段、触れる機会があまりない建設機械等を体験できる数少ない機会と捉えている。講義を通して、少しでも建設業務に興味を持ってもらい、職業選択の候補として考えてもらえれば。」と期待を込めた。