▲写真は訓練の模様
本格的な梅雨や台風シーズンを前に、宮崎県宮崎土木事務所は5月28日、宮崎市の加江田川で2025年度の宮崎地区防災訓練を実施した。訓練には、同事務所の若手職員のほか、建設関係団体の職員ら総勢約50人が参加。大雨で堤防漏水が発生し、決壊する恐れがある事態を想定し、被災箇所の調査や応急対策等の流れを確認した。
全国的に大規模な自然災害が頻発化する中、本県に於いても大型台風に伴う大雨により、各地で甚大な被害が発生している。こうした状況を踏まえ、宮崎土木事務所では、防災意識の高揚と関係者間の連携強化を図るため、関係団体と共同で、大規模災害に備えた河川応急対応の実地訓練を行っている。訓練は今年で11回目を数える。
当日は、午前中から宮崎土木事務所内で伝達訓練を実施。大型台風による大雨で、加江田川の水位上昇による堤防漏水が発生し、決壊する恐れがあるという事態を想定。宮崎地区建設業協会と一般社団法人宮崎県測量設計業協会に応急対策業務等を要請した。
これを受けて、現地に到着した宮崎地区建設業協会の会員と宮崎土木事務所の職員は、重機と人力で土のうを製作し、釜段工と月の輪工による応急対策を実施。宮崎県測量設計業協会宮崎支部の会員は、目視で堤防の被災状況調査等を実施するとともに、ドローンと衛星通信を活用して、リアルタイムの映像を現地と遠隔地で共有した。
このほか、一般社団法人宮崎県警備業協会は、現場周辺の交通誘導や現地の監視業務を担当。宮崎県建設機械器具リース業協会は、土のう作成等に活用する小型バックホウを提供し、宮崎地区生コンクリート組合は、土のうに使用する砂を提供した。
訓練総括で、宮崎地区建設業協会の本部喜好会長は、「災害による被害を最小限にとどめ、地域の安全・安心に奉仕することが我々の責務。雨期や台風に向けて心構えを」と呼び掛けた。宮崎県測量設計業協会宮崎支部の村上信也副支部長は、ドローンや衛星通信と言った最新技術を活用しながら「災害対応に貢献していきたい」と述べた。
宮崎土木事務所の松山重保次長は、「私達は災害が発生時に最前線でその対応にあたらなければならない。県民の安全・安心な生活を守るため、官民一体となって防災対策に取り組んでいきたい」と協力を呼び掛けた。