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脱炭素先行地域に宮崎市 「まちなかモデル」確立へ

 地域特性等に応じた先行的な脱炭素の取り組みを国が支援する「脱炭素先行地域」として、新たに宮崎市が指定された。コンセプトに持続可能な「まちなか脱炭素型モデル」の確立を掲げ、2030年度までに約70億円を投じて、建築物へのZEB導入補助や太陽光発電設備及び省CO2等設備の導入補助などを行う。

 脱炭素先行地域は、2050年の政府目標に先駆け、2030年までに民間の電力消費に伴う二酸化炭素排出量を実質ゼロにすることを目指す地域。先行地域に指定されると、地域脱炭素・再エネ推進交付金により、再エネ設備や基盤インフラ設備、省CO2化設備などの導入に対して複数年にわたる支援を受けられる。

 宮崎市の提案内容は、「Go Next 100~持続可能な『まちなか脱炭素型モデル』の確立~」で、共同提案者は▽宮崎県▽宮崎大学▽宮崎商工会議所▽宮崎市観光協会▽九州電力宮崎支店▽宮崎銀行▽宮崎交通▽米良電機産業▽宮崎放送▽西日本電信電話宮崎支店▽ソーラーフロンティア▽アジア航測―の12団体。

 宮崎駅周辺エリアで、建築物へのZEB導入や太陽光発電設備の導入、省CO2等設備(空調・LED)導入を補助するとともに、宮崎科学技術館を拠点に持続可能な社会を支える多様な人材を育成する。生目の杜運動公園や清武総合運動公園にはソーラーカーポートを整備し、余剰電力を宮崎駅周辺エリアに供給する。

 具体的には、産学の関係者により新たに組成したワーキンググループと連携体制を構築し、市が進める「まちなか投資倍増プロジェクト」と連動して、新築3棟(マンション、オフィスビル、ホテル)をZEB化。延床面積と築年数でグループ化し、それぞれに適した手法を提案するなどして、既存建築物16棟のZEB化も計画する。

 生目の杜運動公園と清武総合運動公園には、ソーラーカーポート(約3200㌔㍗)を導入し、余剰電力をエリア内へ供給するとともに、民間施設に太陽光発電設備(約1300㌔㍗)と蓄電池を導入し、自家消費を行う。さらに、3D都市モデル「PLATEAU」を活用して、建物壁面等の太陽光発電ポテンシャルを調査する。

 また、宮崎大学GX研究センター等と連携し、GXに関する教育プログラムを実施するとともに、駅周辺エリアで学生と事業者のマッチングイベントを開催する。複数のプロスポーツ団体と協働し、会場の脱炭素化やプラ不使用等の取り組みを行うほか、アプリを活用してグッズ交換等が可能なポイント付与制度も検討する。

 こうした取り組みを推進することで、中心市街地×脱炭素によるまちなかの賑わい創出、まちなか投資倍増プロジェクトの促進、スポーツランドみやざきの新しい価値の創造、持続可能な社会づくりを支える人材の育成といった効果を期待する。

 国は、2025年までに少なくとも100箇所を「脱炭素先行地域」に選定する予定で、これまでに40道府県115市町村の88地域を選定している。宮崎県内では、延岡市に次いで2団体目となる。

宮崎市の発表資料