▲写真は挨拶する西條副会長、式典、表彰式の模様
一般社団法人宮崎県法面保護協会(河野裕介会長)は5月20日、宮崎市内で創立50周年記念式典と記念講演、祝賀会を開催した。式典には、会員企業の代表者や関係団体の関係者のほか、宮崎県の佐藤弘之副知事、宮崎県議会の日髙陽一副議長ら多数の来賓が出席。半世紀にわたる協会の歩みを振り返り、50周年の節目を盛大に祝うとともに、協会の更なる飛躍と発展に向けて決意を新たにした。
同協会は、1976年3月に任意団体として設立後、1997年3月に社団法人、2013年4月に一般社団法人として認可を受けた、法面専門工事業で組織する団体。設立当時は会員15社でスタートし、今年5月までに会員数は34社まで拡大した。
記念式典で河野会長の挨拶を代読した西條隆雄副会長は、協会設立から50年の間、社会経済情勢や入札・契約制度をはじめとする建設産業を巡る諸事情の変化などにより、幾多の厳しい状況や困難が訪れたが、「関係者の温かい支援と会員の努力に支えられ、これを乗り越えることができた」と深く感謝の意を示した。
一方で、自然災害が頻発化・激甚化する中、災害時の応急対応や復旧工事など、地域の守り手として、会員一丸で県民の安全・安心に寄与できるよう取り組んでいることを説明。さらに、法面工法に関する調査・研究や技術者の養成、各種研修会の開催、社会貢献活動、法面危険箇所の防災点検カルテの作成などの取り組みも紹介した。
こうした経緯を踏まえ、「諸先輩が築いてきた会員の絆、地域の守り手としての取り組み、その理念を揺るぎないものとし、将来に引き継いでいく決意を新たにする」とともに、「会員が一丸となり、協会活動や工事施工を通じて県民の理解を得ながら、これまでの50年を礎として、次の50年を目指して弛まず前進していく」と述べた。
河野俊嗣知事の祝辞を代読した佐藤副知事は、急峻な地形や崩落した斜面など厳しい現場条件の中でも、高度な技術で工事に取り組む会員の尽力が、県民の安全・安心の確保に繋がっていると感謝の意を示すとともに、専門技術者が果たす役割の重要性を踏まえ、担い手の育成・確保に向けた環境整備のための取り組みを推し進める考えを示した。
外山衛県議会議長の祝辞を代読した日髙副議長は、法面保護工の技術向上に関する研修会の開催など、業界や県土の発展に資する協会の取り組みに敬意を表するとともに、「創立50周年を契機として、相互の連携を更に深め、これまでの活動で培った豊かな経験を生かして、強靱な県土づくりに一層の尽力をお願いしたい」と述べた。
来賓祝辞ではこのほか、協会顧問の古川禎久衆議院議員(代読=池田守隆事務局長代理)、一般社団法人宮崎県建設業協会の藤元建二会長(代読=本部喜好副会長)が挨拶。藤元会長は、持続可能な建設産業の実現に向けて「公共事業予算や適正な利潤の確保、担い手の確保・育成といった課題解決に一緒に取り組もう」と呼び掛けた。
表彰式では、各表彰の受賞者に表彰状と記念品を贈呈。謝辞を述べた赤澤早都さんは、「表彰の栄に浴することができたのは、多くの先輩方や仲間達、支えてくれた家族の存在があったからこそ」「これまでに培ってきた経験と知識を生かし、協会の発展と持続可能な社会の実現に向けて、微力ながら尽力していく」と意気込みを語った。
表彰受賞者は次のとおり(敬称略)。
▽特別功労者表彰=柳橋恒久(協会相談役)
▽永年勤続表彰=甲斐鉄男(山崎産業)、赤澤早都(松澤組)、南波忠孝(旭建設)、前川昌俊(大和開発)
▽現場代理人表彰=大重雅也(坂元建設)、齊藤竜徳(鴟尾工業)、谷口秀峰(谷口組)、芝崎彰範(山崎産業)、長友勝美(松澤組)
▽若手技術者表彰=酒井勇輔(大和開発)。
■池田市長招き記念講演
記念式典後には、都城市の池田宜永市長による「結果が出る自治体経営~都城フィロソフィを基軸として~」をテーマとした記念講演も開催。池田市長は、民間感覚を導入し、地域の経営資源(ヒト・モノ・カネ)を最大限に活用して、市民の幸福と市の発展を図ることが、自身が考える自治体経営の最大の目的であることを説明した。
講演で池田市長は、経営資源の力を最大限に引き出すためのポイントを説明し、その中でも最も大切な経営資源がヒト(人財)であることを強調。職員の人間力を高めるため、稲盛和夫氏が実践したフィロソフィを市役所に導入したことを紹介するとともに、組織を活性化するための人事のあり方や仕事の進め方などを解説した。
記念講演後に行われた祝賀会は、協会顧問の日高博之県議会議員の乾杯の発声で開宴。会食と歓談を楽しむ中、県議会議員の野﨑幸士が座長を務める心響鼓DONの太鼓の演奏と民謡歌手の浅野晴香氏によるユニットステージが行われ、会場は大いに賑わいを見せた。祝賀会は、協会名誉顧問の緒嶋雅晃氏の挨拶で閉宴した。
■25年度の事業計画を決定
記念式典の開催に先立ち、同日には2025年度の定時総会も開催した。総会では、24年度事業報告及び収支決算を原案どおり承認したほか、25年度の事業計画及び収支予算を確認した。
25年度の事業計画では、法面保護工事の社会的使命を深く認識し、本県の特性に応じた法面工法の確立や普及促進に関する事業を展開し、県土の保全及び自然との調和のとれた環境創造に寄与することを協会運営の基本方針に掲げた。
こうした基本方針に基づき、知識及び技術の習得等を目的とした各種研修会や講習会の開催、会員が施工する法面工事現場での労働安全パトロールの実施、現場代理人等を対象とした労働安全研修会の開催、関係官庁等に対する陳情・要望活動及び意見交換の実施、会員の加入促進、社会貢献活動などに取り組むとした。