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安定した事業環境の構築目指す 宮崎県測量設計業協会

      

▲写真は挨拶する西田会長、総会、表彰式の模様

 一般社団法人宮崎県測量設計業協会(西田靖会長)は4月25日、宮崎市内で2025年度の通常総会を開催した。総会には多数の会員が出席し、24年度収支決算報告や定款の改正案を原案どおり承認したほか、会員の経営改善や近代化・合理化、技術力の向上、人材育成などを盛り込んだ25年度の事業計画を報告した。

 挨拶で西田会長は、昨年8月と今年1月に日向灘沖を震源とする地震が発生し、4月には南海トラフ巨大地震の新たな被害想定が公表されたことに言及。発災直後から対応にあたる測量設計業が「発災後に元気であること」「個々の会社が即時に対応できる気力と体力を持ち続けること」が重要として、ソフト面を含めた対策の必要性を訴えた。

 一方で、25年度の設計業務委託等の技術者単価が全職種平均で前年比5.7%増加し、13年連続で上昇していることを説明。ただ、昨今の物価上昇に賃上げが追いつかない現状を踏まえ、「未だ道半ば」であるとして、DX化や人材への投資を進めるためにも、更なる単価の上昇や安定した事業環境の構築に取り組む考えを示した。

 議案審議では、24年度収支決算及び定款改正案を原案どおり承認。また、▽協会信用の確立▽協会員優先指名の確保▽測量設計及び補償業務の技術向上▽関係法令等の整備促進▽事業協同組合との連携強化―を努力目標とする25年度の事業計画を確認した。

 目標の達成に向けて、協会内の各委員会を中心に、新規事業の調査研究や会員優先指名の確保、事故防止対策の樹立と労務管理の改善、発注機関等との意見交換、Web会議やテレワーク、建設関連DX等に関する情報収集と会員への提供、担い手確保対策の推進、技術向上のための研修会等の開催、資格取得等に対する支援に取り組む。

 総会に先立ち行われた表彰式では、会員表彰を受賞した8社、従業員表彰を受賞した19人のほか、測量士試験に合格した松浦健一氏(日拓測量設計)と甲斐敬胤氏(創建)に表彰状と記念品を贈った。

 表彰受賞者は次の通り(敬称略)。
▽会員表彰=フェニックスコンサルタント(50年以上)、都城技建コンサルタント(前同)、宮崎産業開発(40年以上)、下沖測量(30年以上)、はまゆう測量設計(20年以上)、西部技建コンサルタント(前同)、アップス(前同)、大淀測量設計事務所(前同)
▽従業員表彰=[50年以上]奈須安文(九州工営)[30年以上]那須広行(国土開発コンサルタント)、志戸岡利充(前同)、有田勉(前同)、原田洋(福島測量設計調査事務所)、長井彩子(大正宮崎支社)、佐伯健吾(フェニックスコンサルタント)、甲斐俊幸(共同技術コンサルタント)、大﨑敬(九州土木設計コンサルタント)、西川亮(前同)、牧﨑祐樹(正栄技術コンサルタント)、小牟田淳二(外山測量設計コンサルタント)、金丸良一(はまゆう測量設計)、鈴谷景一(前同)、村冨広俊(前同)[20年以上]宮﨑晃太(九州工営)、甲斐正樹(フェニックスコンサルタント)、興梠洋平(前同)、西美保(前同)。

■組合員のための組合に

 同日には、宮崎県測量設計事業協同組合(前田慎介理事長)の2025年度通常総会も開催し、24年度事業経過報告及び収支決算、24年度余剰金処分案、25年度事業計画及び収支予算案、定款改正案、組合員資格に関する審査基準などを承認した。

 挨拶で前田理事長は、組合事業に対する組合員の理解と協力に感謝の意を示すとともに、組合事業の核となる共同受注が、24年度は目標額を上回る成果を挙げたことを報告。今後も「皆様のための組合を目指して頑張っていきたい」と意気込みを述べた。

 25年度の事業計画に関しては、道路や河川台帳の作成・修正業務、橋梁点検業務などの共同受注事業、共同購買事業を推進しつつ、建設DXの取り組みを踏まえた新規事業に関する調査及び情報収集の継続、橋梁点検業務等の安定受注に向けた技術力の向上、安定した成果品を提供するための研修会の開催などに取り組むとした。