建設ネット企画画像 四角 四角

陸上競技場が完成、現地でセレモニー開催 宮崎県

      

▲写真は式典の模様、挨拶する河野知事、池田市長

 2027年に本県で開催される第81回国民スポーツ大会と第26回全国障害者スポーツ大会に向けて、宮崎県と都城市が整備を進めていた霧島酒造スポーツランド都城(山之口運動公園)の各種施設が完成し、4月12日に現地でオープニングセレモニーが行われた。多数の関係者が施設の完成を祝い、国スポ・障スポの開催へ気勢を上げた。

 施設の整備に際しては、既存の公園区域を11㌶から24㌶に拡張し、全面的な造成を行ったのち、第1種公認陸上競技場(主競技場)、第3種公認陸上競技場(補助競技場)、投てき練習場、多目的広場、芝生広場、トイレ棟、休憩棟、倉庫棟、遊具、ジョギング走路、公園施設(園路・植栽等)、駐車場、調整池などを整備した。

 このうち、宮崎県が整備した主競技場(クロキリスタジアム)の建築規模は、RC造(屋根部分S造)4階建、延床面積2万2809㎡。約1万5千席の観客席のほか、大型ビジョンやトレーニング室、雨天走路などを備える。日本陸連の第一種公認を取得し、アジア大会なども開催可能な世界陸連のクラスⅡ公認を申請している。

 施設整備に係る設計業務と施工監理は、佐藤・益田設計業務共同企業体が担当。建設工事は、メイン及びサイドスタンドの建築工事を清水・都北・下森特定JV、バックスタンドの建築工事を増田・上田・戸髙特定JV、電気工事を三桜電工・小田電業・電工社特定JV、管工事をエイワ、空調工事を久保設備が担当した。

 一方、都城市が整備した補助競技場(アカキリフィールド)の建築規模は、S造2階建延べ1900㎡で、収容席数は840席程度。各種設備を備え、大会会場としても利用できる。建築主体工事は丸昭・真栄・藤誠JV、電気工事は九南・九州電通・久保JV、管工事は丸昭建設、フィールド整備工事は大淀・丸昭・桜木JVが担当した。

 14日に現地で行われたオープニングセレモニーには、宮崎県の河野俊嗣知事や都城市の池田宜永市長、古川禎久衆議院議員、長峯誠参議院議員、宮崎県議会の濵砂守議長、宮崎県副知事も務めた国土交通省の内田欽也都市局長、県内スポーツ関連団体の代表のほか、施設の施工に携わった建設会社の代表者ら多数が出席。

 式典で挨拶に立った河野知事は、国スポ・障スポのメイン会場として、様々なレガシーが刻まれるだけでなく、県内で初めて国際基準に対応した自然豊かな競技場であり、スポーツだけでなく様々なイベントに対応できることを説明。「スポーツを含めた地域の賑わいの核となる将来を夢見て、皆さんに活用してもらいたい」と期待を込めた。

 都城市の池田市長は、「この地から多くのアスリートが輩出され、スポーツを通じて地域、県全体の活性化に繋がることを願う」と挨拶。さらに、公園内に整備した各種施設が、巨大地震等が発生した際の防災拠点にもなることを説明し、「有事の際には重要な防災拠点になることも、皆さんの心にとどめていただきたい」と呼び掛けた。

 その後、施設の命名権を取得した霧島酒造株式会社に河野知事と池田市長が命名権書を授与。代表者によるテープカットや鏡割りと同時に、地域の子ども達が風船を飛ばして、施設の完成を祝った。清山ちさと選手や中川もえ選手、市民らによる走り初めのほか、ひなたサインによる大会イメージソングの演奏とダンスの披露も行われた。