宮崎市は、3月14日の市議会定例会で議決した2025年度当初予算に「(仮称)みやざきこどもセンター事業」として1億9712万円を盛り込んだ。29年度当初までの開設に向けて、建設予定地の文化財発掘調査や造成工事、24年度策定の基本計画を踏まえた新施設の基本・実施設計、職員の専門性を高めるための研修派遣等を行う。
育児や家庭環境の相談に応じる従来の「児童相談所」の機能に加え、家庭での虐待等で保護が必要になった子どもを一時的に預かる「一時保護所」、全ての妊産婦や子育て世帯、子どもに対して、児童福祉や母子保健といった相談支援を一体的に行う「こども家庭センター」などの機能を集約した施設を整備する。
建設候補地に関しては、財政負担を軽減できる市有地であることを前提に、関係機関との連携や公共交通機関の利用、周辺建物の状況、市民生活への影響の視点から、市の中心地に位置する6つの候補地について調査・検討を実施。その結果、宮崎中央公園の日本庭園部分(敷地面積約6000㎡)を選定した。
24年7月に策定した基本構想によると、導入機能を踏まえた建物の規模は、他市の事例を参考に、児童相談所と一時保護所で約3000㎡~4000㎡(2階建)を想定。その他の付帯施設の総面積を約600㎡とし、全体の想定面積を約3600㎡~4600㎡としている。このほか、利用者用の駐車場90台も確保する。
設計や整地、調査・設計、備品等を除く想定建設工事費は、他の市有施設の建築単価等を参考に、1㎡当たりの建設単価を64万4000円とした場合、最小面積(約3600㎡)で23.2億円、最大面積(約4600㎡)で29.6億円と試算する。
施設整備に係る基本計画策定業務は、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが担当しており、24年度中に計画をまとめる方針。基本計画の内容を踏まえ、25年度当初予算には、建設予定地整備事業に1億6131万円、基本設計・実施設計策定事業に3581万円、設置準備事業に857万円をそれぞれ計上した。
建設予定地整備事業では、文化財発掘調査や造成工事等を行い、基本設計・実施設計策定事業では、建物の規模や構造、設備、法令上の諸条件を整理した上で、基本設計・実施設計を策定する。設置準備事業では、研修派遣等や派遣職員のケア、研修等の実施による市職員の意識醸成を通じて、職員の専門性を高める。
このうち、基本設計・実施設計策定事業に関しては、25~26年度の総額を8227万円とする債務負担を設定する。
施設整備に係るスケジュール案では、24年度中に基本計画の策定や都市計画の変更を行う方針。25年度に公園の整地を行い、25~26年度に基本・実施設計と埋蔵文化財調査を行う。建設工事は26~28年度に行う予定。開設準備を経て、29年度当初までの開設を目指すとしている。