▲写真は式典の模様、挨拶する河野知事、鈴木会長
2027年に本県で開催される第81回国民スポーツ大会と第26回全国障害者スポーツ大会に向けて、宮崎県が整備を進めていたプール施設(パーソルアクアパーク宮崎)が完成し、3月15日に現地で完成式典が行われた。式典には、宮崎県の河野俊嗣知事や宮崎市の清山知憲市長、公益財団法人日本水泳連盟の鈴木大地会長、設計・施工業者の代表者ら多数が参加。施設の完成を祝い、国スポ・障スポの開催へ気勢を上げた。
パーソルアクアパーク宮崎は、県内初となる日本水泳連盟公認の屋内プール施設。宮崎市錦本町の県有グラウンド跡地を活用し、全国大会の開催が可能な競技用の50m温水プール、子どもから大人まで誰もが楽しめる25m温水プール、約2500人を収容できる観客席(固定席1500席、仮設席1012席)を整備した。
このほか、鍵付き専用ロッカーやシャワー、洗面台を備えた更衣室、初心者からアスリートまで対応できる最新の機器を完備したトレーニングルーム、屋内ボルダリング施設、教室やレッスンに活用できる多目的スタジオ、100人程度で利用できる会議室、初心者から上級者まで満足できる屋外クライミングウォールなども整備した。
駐車場等を含む施設の規模は、鉄筋コンクリート造3階建、建築面積1万0697.81㎡、延床面積1万4265.33㎡。整備に際してはPFI方式を採用し、施設の設計・建設・運営・維持管理を、鹿島建設株式会社を代表企業とするグループに一括発注した。15年間の維持管理費を含めた事業費は約167億円を見込む。
式典で挨拶に立った河野知事は、本県初となる屋内50mの公認プールであること、中心市街地に於ける地域振興と一体となったスポーツ施設であることを大きな意義と強調。スポーツランドみやざきを次のステージに結び付ける拠点であり、隣接地で整備が進む民間施設と一体的に運用することで、新たな賑わいの拠点になるとした。
一方で、読売巨人軍のV9を支えた県営球場の以前には、屋外型の50mプールがあったことを紹介。過去の歴史を辿りながら、新たな歴史を刻む「原点回帰」となる施設であり、最先端のプール環境が整ったことで、本県出身の松田丈志氏に続くトップスイマーがここから育ち、水泳の競技人口の拡大にも繋がることを期待した。
来賓祝辞では、宮崎県議会の濵砂守議長、宮崎市の清山市長、日本水泳連盟の鈴木会長が挨拶。濵砂議長は「全国に誇れる施設が完成した」と述べたほか、清山市長は、全国大会の開催や合宿受入等に伴う経済効果だけでなく、気軽に足を運べるマチナカの施設として、市民スポーツの振興や健康増進といった効果を期待した。
鈴木会長は、「ひとたびプールが完成すれば、その利活用を考えなければならない」と指摘。水泳はオリンピックの花形であると同時に、学校の授業や部活動、リハビリなど様々な可能性を秘めており、「安くはない投資だが、それに見合った効果が得られる」として、完成したプールを様々な用途に活用してもらうよう求めた。
その後、施設の命名権を取得したパーソルビジネスプロセスデザイン株式会社に河野知事が命名権書を授与。代表者がテープカットを行い、施設の完成を祝った。式典後には、オリンピックに出場した松田丈志氏や佐藤久佳氏、岩崎恭子氏のほか、一般スイマーが泳ぎ初めを行い、乾友紀子氏がアーティスティックスイミング演技を披露した。
パーソルアクアパーク宮崎は、4月1日に供用を開始。オープン記念として、14日までは施設及び駐車場を無料で利用できる。今年10月には、オリンピアンやパラリンピアンが一堂に集い、地元の子ども達と交流を図りながら、水泳の魅力を発信する「水泳の日」(日本水泳連盟・宮崎県水泳連盟共催)の開催も予定している。