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総合福祉Cなど整備検討 新富町まちづくり計画案

 新富町は、今後のまちづくりの大きな方向性とこれを実現するための施策を示す「まちづくり基本構想・実施計画」の素案をまとめた。「町民の健康と福祉の向上」を最大の目標に掲げ、その達成に向けて、総合福祉センターや健康づくりプラザ、富田浜健康フィールド、上新田コミュニティセンターなどの整備を検討する。

 町は、防衛省の補助メニューを活用するため、2015年に策定した「まちづくり基本構想」で、交流人口の拡大や産業振興の起爆剤となる地域活性化拠点施設の整備を計画。一方で、計画対象地としていた三納代地区は、民間活力を活かした事業にシフトすることとなり、新たにフットボールセンターや農畜産物直売所を開設した。

 こうした状況を踏まえ、あらためて町民が求めるニーズを分析し、町民にとって最も有益となる環境づくりを最重要課題と位置付け、老朽化した施設の統合や更新を中心に計画案をとりまとめた。引き続き、防衛省の支援を受けて、各種事業に取り組む。

 素案では、地域のニーズやまちづくりの課題を整理したうえで、「町民の健康と福祉の向上~これからも住み続けたくなるまちへ~」をコンセプトに設定。町全域を、▽中心拠点ゾーン▽スポーツ健康ゾーン▽レクリエーションゾーン▽地域拠点ゾーン▽地域資源体感コース―の5つにゾーニングし、各ゾーンでの取組方針を示した。

 中心拠点ゾーンでは、老朽化する福祉施設を更新し、子どもから高齢者、健常者及び障がい者がともに交流する「総合福祉センター」の整備を検討する。現在の福祉施設及び町体育館の敷地等を一体的に活用し、既存機能の維持を基本としつつ、昨今の社会情勢や町の財政状況等を踏まえ、各種機能の集約化を図る。

 現時点のイメージでは、行政機能や社会福祉協議会機能、子育て支援機能、児童館機能、児童生徒支援機能、共用・管理機能を有する施設の規模を、混構造(RC+S造)2階建、延床面積4800㎡程度と想定。事業費を45億円程度と概算する。これと合わせて、周辺の町体育館や駐車場などの改修等も検討する。

 スポーツ健康ゾーンでは、町唯一の温泉施設であるサン・ルピナスの老朽化に伴う更新を計画。現在の温泉施設機能に加えて、隣接する三納代運動広場等を含めた周辺を一体的に活用し、フィットネスなどの健康交流機能、災害時の避難場所となる防災機能を備えた、新たな健康拠点施設「健康づくりプラザ」の整備を目指す。

 このうち、屋根付き広場等を含めた健康増進センターの規模は、RC造平屋建延べ9200㎡程度。多目的広場やトレーニングルーム、プール等の設備を備え、事業費を約56億円と概算する。健康増進センターに隣接する福祉温泉は、管理棟(130㎡)と個別風呂10棟程度(各70㎡)で構成し、事業費を約8億円と概算する。

 富田浜公園一帯のレクリエーションゾーンでは、多様なスポーツ・レクリエーション・環境学習に対応する機能に加え、貴重な水辺・緑・生物生息環境の保全、災害時の防災機能を有する公園にリニューアする。自然の形状を利用したウォーキング・ジョギングコースのほか、屋外で利用可能な健康器具等の設備、外灯設備を設置する。

 地域拠点ゾーンでは、上新田地区の地域コミュニティ形成を支える拠点施設として、上新田公民館のリニューアルを行う。更新にあたっては、従来の公民館が持つ交流空間のほか、生涯学習設備や生活利便施設の設置を検討する。イメージによる施設規模は、混構造平屋階建、延床面積882㎡程度。事業費を約8億円と概算する。

 事業方式に関して、総合福祉センターと上新田コミュニティセンター、富田浜健康フィールドは従来方式で整備を行い、収益が見込める健康づくりプラザは、DBOやPFIといった民間活力の活用を検討する。施設の整備順は、総合福祉センター、上新田コミュニティセンター、健康づくりプラザ、富田浜健康フィールドとする。

 素案はホームページで公開し、町内居住者などを対象に3月21日まで意見等を受け付ける。

素案の概要版