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グリーンインフラへの見識深める 日造協県支部が講演会

      

▲写真は挨拶する下湯支部長、村岡室長、講演会の模様

 一般社団法人日本造園建設業協会宮崎県支部(下湯一弘支部長)は、3月13日に宮崎市内で「グリーンインフラによる防災・減災と美しい景観講習会」を開催した。セミナーには、造園業等の関係者や行政職員ら約70人が参加。良好な景観を維持しつつ、防災・減災に取り組むことが可能なグリーンインフラへの見識を深めた。

 講習会は、日本造園建設業協会宮崎県支部が県から受託した「景観づくり人材育成イベント・セミナー開催事業」として開催したもの。造園業等の関係者や地域で景観形成活動に取り組む者を対象に、専門的・技術的知識の普及や新たな視点・価値観で景観づくりを推進できる人材を育成し、景観形成活動の活性化を図ることを目的としている。

 主催者挨拶で下湯一弘支部長は、グリーンインフラが自然形態を利用した社会基盤整備であることを説明。洪水や津波、ヒートアイランド対策など、防災・減災に繋がる重要な位置付けにある事業を広く、深く学び、今後の業務に役立ててもらいたいと話した。

 また、宮崎県県土整備部都市計画課美しい宮崎づくり推進室の村岡昭彦室長は、グリーンインフラが景観だけでなく、県民の生活を守る防災・減災の側面があることを強調。次世代へ残すべき景観を維持しながら、自然環境の機能をインフラ整備に活用する重要性を、それぞれの立場で考えながら、向き合ってもらいたいと訴えた。

 講習会では、日造協九州総支部の藤田良司総支部長が、グリーンインフラに於ける基本的な考え方や取組事例を紹介。全国に先駆けて、グリーンインフラの基本計画を策定している北九州市では、板櫃川の親水公園を拡幅し、大きな水溜まりを設置することで、降雨時に下流の氾濫危険水位を超えないよう、対策を講じていることを解説した。

 また、モノレール高架下の植栽工事を通じて、高架上の雨水を誘引していること、小学校運動場の雨水処理にビオトープ池を設置して、河川の負担軽減に努めるなどの事例を紹介。藤田総支部長は、「グリーンインフラは様々な場所で取り組むことができる。災害が多発する今こそ、官民連携で取り組む必要がある」と述べた。