▲写真は挨拶する石川会長、研修会の模様
一般社団法人宮崎県浄化槽協会(石川武則会長)は3月10日、宮崎市内で2024年度「第17回浄化槽維持管理研修会」を開催した。県内各地で浄化槽の施工や維持管理に携わる技術者のほか、保健所や市町村等の行政関係者ら総勢約140人が受講し、浄化槽の適正管理に向けた現状や課題、適切な保守点検の手法などを学んだ。
公共用水域の水質保全や生活環境の保全、公衆衛生の向上を図るうえで、浄化槽は下水道とともに生活排水処理施設として重要な役割を担っており、浄化槽に携わる関係技術者には適切な維持管理能力が求められている。同協会では、浄化槽に係る諸問題の解決や最新技術の習得を図るため、毎年、研修会を開催している。
挨拶で石川会長は、県内に於ける浄化槽の法定検査受検率に言及。全国平均を上回ってはいるものの、未だ約半数が未受検であることを踏まえ、受検率の向上に向けた取り組みの必要性を訴えた。一方で、研修会を通じて、浄化槽本体の仕組みや周辺機器、災害対応など、様々な視点から技術の習得を図るよう、参加者に呼び掛けた。
研修では、公益財団法人宮崎県環境科学協会法定検査部検査課の坂元司課長が、23年度に於ける浄化槽法第7条及び第11条に基づく法定検査について説明。判定に当たっての基本的な考え方や過去の検査で「不適正」と判定された浄化槽に関して、書類検査、外観検査、水質検査のそれぞれの指摘内容などを解説した。
新明和工業株式会社の今津行雄営業グループ長は、「e-ノーラス浄化槽向けポンプの構造・仕組み」と題して講演。自社が開発した水中ポンプについて、構造や特長、動作原理などを説明した。
宮崎県環境森林部環境管理課水保全対策の担当者は、浄化槽の適正管理に向けた現状と課題を説明。県内の生活排水処理の推移や合併処理浄化槽への転換に向けた課題、浄化槽整備促進事業等を解説した。
研修会ではこのほか、株式会社ハマネツが「仮設トイレのメンテナンス」、日東工器株式会社が「メドーブロア」、飯島電子工業株式会社が「DO計のよくある質問と対処法」、株式会社サナが「浄化槽管理剤の種類と使用法」をテーマに、それぞれ講演を行った。