▲写真は定例会の模様
宮崎県インフラDXコンソーシアム(黒木繁人会長)は、3月6日に宮崎市内で2024年度の定例会を開催した。定例会には、会員企業の代表や技術者ら多数が参加。企業活動に於けるAIの活用や、開発中の3D活用プロジェクトについて専門講師から説明を受けたほか、インフラ分野のDX推進に向けた国の取り組みを確認した。
定例会では、コンソーシアムの顧問を務める中村安男氏が「AIのすすめ」をテーマに講演。人間のように幅広い知識やスキルを持ち、様々な課題を自立的に解決できる汎用人工知能(AGI)について解説し、AI各社が人間の指示に基づいて自律的にタスクを実行する「AIエージェント」の開発を加速化させていることを説明した。
中村顧問はこのほか、大手IT企業が提供する生成AIサービスを使ったデモンストレーションも行い、例えば音声データや各種資料を読み込ませることで、その中から質問に対する正確な回答が得られることを紹介。AI時代を勝ち抜くためには、経営者自らがAIに取り組むこと、企業内にAI推進担当者を配置することが必要と訴えた。
続いて登壇した株式会社Growing Labの春田健作事業推進部長は、「いつでもどこでも3D活用」をテーマに講演。スマートフォンに登載されているLiDARスキャナで作成した3Dデータを、道路や水道、公共施設などの社会インフラ管理データベースと連携させ、業務の効率化を目指す同社の開発プロジェクトを紹介した。
春田氏は、公共事業で新技術やBIM/CIM、3次元モデルなどの活用が進む中にあっても、「手間やコストがかかる」「データの共有や利用が難しい」といった理由から、これらの導入に躊躇する企業が少なからず存在する現状を踏まえ、「まずはできることから取り組む。それができるようになれば、自ずと次の展開が見えてくる」とした。
定例会ではこのほか、国土交通省九州地方整備局インフラDX推進室の中司哲夫室長が「インフラ分野のDX推進」と題して講演。九州地方整備局に於けるDXの取り組みとして、デジタル技術を活用した被災調査や災害査定、垂直離着陸型ドローンによる河川巡視の効率化、メタバースを活用した住民との合意形成の事例などを紹介した。