延岡市は、南部地域子育て支援拠点施設整備に係る基本計画を策定した。今年1月~2月に行ったパブリックコメントを踏まえ、計画案の内容を概ね踏襲するとともに、新たに整備スケジュール案を盛り込んだ。2025~26年度に基本・実施設計、27~28年度に建設工事を行い、29年3月の運営開始を目指す。
0歳から18歳までの全ての子どもや子育て世帯に寄り添い、地域の大人も関わる中で、こどもの成長や発達の過程に応じたきめ細やかな支援を切れ目なく行うための「キチ」となる拠点施設を整備する。23年度に策定した基本構想を踏まえ、施設計画や配置計画を盛り込んだ基本計画を策定し、整備方針等の具現化を図る。
導入機能に関しては、キッズルームや一時預かり、病後児保育などの「子育て支援機能」に加え、異なる世代の交流を促進する「地域交流機能」、中高生が自由に利用できる学習室などの「こどもの第三の居場所」を設け、これらの機能が独自性を保ちながらも連携・補完し、様々な活動を行う「多目的ホール」が中心的な役割を果たす。
これらの機能を導入するための施設規模を2階建延べ1500㎡程度と設定。敷地面積や用途地域、法規制、災害リスク、アクセス性等を踏まえ、市営住宅集約化事業に於ける一ケ岡D団地の余剰跡地(約4000㎡)を候補地とする。駐車場は、常時50台程度を確保し、イベント開催時は屋外運動場を臨時駐車場として利用する。
構造計画では、公共建築の木造化や市産材等の利用推進、地球温暖化対策の観点から「木造が合理的」と判断するが、基本設計段階で木造やRC造などとの併用も検討する。設備計画では、再生可能エネルギーや省エネルギー設備の率先的な導入を図るため、ZEBの考え方を取り入れた設備設計、消費電力の節減などを図る。
建物や外構、擁壁、遊具等を含めた現時点の概算工事費は9億8200万円。財源には、各種整備制度や交付金事業、起債などの有利な制度を最大限に活用する。整備スケジュールによると、25年度に地質調査を行い、これと並行して25~26年度に基本・実施設計を行う。建設工事は、27~28年度の2箇年で行う予定でいる。
25年度の事業実施に向けて、市は25年度当初予算案に事業費3252万円を盛り込んだ。内訳は、基本設計業務委託料に1884万円、地質調査業務委託料に1272万円、境界確定調査・測量・分筆登記申請委託料に42万円など。
《基本計画の概要版》