五ヶ瀬川水系の洪水被害を最小限とするため、国土交通省九州地方整備局と延岡市が整備を進めていた「五ヶ瀬川天下地区河川防災ステーション」が来月完成する。水防活動で使用する緊急用資材を備蓄し、災害時の活動拠点として機能する水防センターなどを備える。施設の完成を祝い、2月19日に現地で完成式を開催する。
河川防災ステーションは、水防活動で使用する土砂等の緊急用資材を事前に備蓄し、資材の搬出入やヘリコプターの離着陸などの作業スペースを確保するもの。市町村の水防活動を支援し、緊急復旧等を迅速に行う拠点と位置付ける。平常時には、地域のレクリエーションの場、河川を中心とした文化活動の拠点などとして活用する。
五ヶ瀬川天下地区河川防災ステーション(延岡市天下町20番地4)には、水防活動や緊急復旧に必要となる根固ブロック(約2300個)、中詰め材を常時備蓄。災害時に出動する排水ポンプ車4台と照明車2台を格納する災害対策車車庫のほか、道路や橋梁が寸断された際に使用するヘリコプターの緊急離発着場を整備した。
敷地内にはこのほか、水防活動時の待機場所や活動拠点、災害時の緊急避難場所として機能する水防センター(軽量鉄骨造平屋建延べ300㎡)を延岡市が整備。平常時には、水防活動の訓練や防災意識の向上を図る防災学習施設、地域住民のレクリエーションの場、河川を中心とした文化活動の拠点として積極的に活用する。
延岡河川国道事務所は2017年から施設の整備に着手。17年3月に県内で初めて、国から防災ステーション整備計画の認定を受け、同年4月には国と延岡市の連携整備を確認した。河川工事で発生する掘削土を利用するなどして工事を進め、24年1月には災害対策車車庫、同年7月には水防センターがそれぞれ完成していた。
延岡河川国道事務所と延岡市は、施設の運用開始を記念するとともに、地域の安全・安心を支える施設として活用されることを期待し、2月19日10時30分から現地で完成式を行い、テープカットなどで施設の完成を祝う。また、同日13時~14時30分には、誰でも参加可能な施設見学会の開催も予定している。