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一ツ葉・木花地区で土地利用規制を緩和 宮崎市

 宮崎市は、都市の可能性を広げる「宮崎オープンシティまちづくり計画」の一環として2025年4月から一ツ葉地区と木花地区で土地利用規制を緩和する。現行の都市計画マスタープランを改訂し、市街化調整区域内でも観光・リゾート等で土地利用が可能なエリアを拡大・新設。さらに、用途基準を明確化し、開発手続きの迅速化を図る。

 無秩序な市街化を抑制するため、市街化調整区域では原則として、建築物の建築や増築、使用などが制限されている。今回の規制緩和では、宮崎オープンシティまちづくり計画の一環として、市固有の自然豊かな地域特性を活かしたまちづくりを推進するため、両地区で観光・リゾートや物流・工業に係る土地利用規制を緩和する。

 一ツ葉地区では、現行の都市計画マスタープランで定める「観光・リゾート拠点」と「物流・工業拠点」をそれぞれ拡大。さらに、イオン宮崎ショッピングセンター周辺に「観光・リゾート系ゾーン」、宮崎中央卸売市場周辺に「物流・工業系ゾーン」を設定し、それぞれのエリアで用途に沿った土地利用を可能にする。

 一方、木花地区では、青島地区周辺に設けている「観光リゾート拠点」を、ひなた宮崎県総合運動公園まで拡大。総合運動公園からこどもの国までの国道220号、377号沿いを「観光・リゾート系ゾーン」に設定する。

 エリアの設定に合わせて、土地利用可能な用途基準の明確化・迅速化も図る。観光・リゾート系の開発に際して「ふさわしい用途と規模」を設定し、基準内であれば、通常3カ月以上を要する開発手続きを簡素化し、約1カ月で許可が得られるようにする。

 具体的には、▽飲食店▽物販店舗▽ワーケーション施設▽体験施設(マリン・レジャー)▽マリンスポーツ関連施設及び用品等の販売・レンタル店―をA施設、宿泊施設をB施設と位置付け、A施設は延床面積500㎡以下、B施設は同1500㎡以下を基準に設定する。ただし、A施設は1事業につき2つまで(最大1000㎡)設置可能で、B施設は1事業につきA施設1つとの併設(最大2000㎡)を認める。

 これを超える観光・リゾート系の開発に関しては、都市計画審議会や開発審査会といった既存の制度を活用して審査するため、許可までに一定の時間を要する場合がある。

 多様な都市機能の集積に向けて、市は24年4月から中心市街地に於ける容積率や斜線制限の緩和、公益性の高い土地に対する固定資産税等の軽減といった「まちなか投資倍増プロジェクト」をスタートしている。今回の規制緩和は、宮崎オープンシティまちづくり計画の実現に向けたプロジェクトの第2弾となる。

■空き家解消へ規制緩和を実施

 宮崎市は、市街化調整区域に於ける人口減少や空き家の増加といった課題の解消に向けて、2025年4月から規制緩和を実施する。既存の全99集落の空き家で審査基準を緩和するほか、集落拠点を含む7集落の旧宅地で新たに利活用を可能にする。

 市街化調整区域における現在の居住制度では、原則、地縁者や血縁者に限り家屋・土地を利用でき、建物の用途変更が難しいといった課題を抱える。市は、地域コミュニティの維持や空き家等の解消に向けて、市街化調整区域の規制緩和を実施する。
 
 具体的には、既存の全99集落の空き家を対象に、前述の「ひとの要件」を問わずに居住できるようにし、住宅への用途変更も可能にする。また、瓜生野や糸原など一部の既存集落内の旧宅地を対象に、同じく「ひとの要件」を問わずに居住可能とする。

 こうした取り組みを通じて、子育て世帯や賃貸居住者、移住者等の居住を推進するとともに、空き家のリフォームや建替、旧宅地への住宅建築を促進する。

宮崎市の発表資料