▲写真は出前講座、現場見学会の模様
一般社団法人宮崎県建設業協会は12月4日、県立宮崎工業高等学校の生徒を対象とした出前講座と現場見学会を開催した。建築科の1年生32人を対象に、建設業が果たす役割や魅力・やりがいを伝えたほか、現在稼働中の建設現場を訪ね、各工事概要や現場の仕組み、施工のプロセスなどを学んだ。
宮崎県建設業協会では、建設産業の健全な発展や担い手の確保・育成、業界のイメージアップを図ることを目的に、若年者の入職促進や人材育成に係る各種事業を展開。県内高校等の学生を対象とした出前講座や現場見学会のほか、各地区協会を実施主体とするインターンシップなどに積極的に取り組んでいる。
出前講座では、講師を務めた宮崎地区建設業協会の宇治橋信雄理事と川口泰直理事が、建設業の様々な業種や災害時の復旧・復興支援、地域貢献活動などを説明するとともに、建設業に携わることで得られるやりがいや充実感、達成感を紹介した。
このほか、ハンドベンダーや旧型の手動ベンダーを使用した鉄筋の切断・曲げ加工体験も実施。宇治橋氏は、社会に出た際に必要なこととして「何事にも準備をして挑むことを忘れないで」と訴え、資格取得などに積極的に取り組むよう呼び掛けた。
現場見学会は、桜木・松本・井上特定建設工事共同企業体が施工する「宮崎市消防局・北消防署新庁舎棟新築工事」の現場で開催。宮崎市消防局の神之薗智洋主査が工事の概要や新庁舎棟に採用する免震構造等を説明。株式会社桜木組の伊東宏司課長が現場の流れや進捗状況を説明し、地下基礎部分にあたる基礎梁上端の施工状況を見学した。
一方、県内初となる高等特別支援学校の開設に向けて整備が進む「宮崎県特別支援学校寄宿舎建設主体工事」の現場では、宮崎県総務部営繕課の原口拓蔵主任技師が、工区を分割して早期完成を目指していることなどを説明。株式会社坂口組が施工するC工区で行われた見学会では、1階土間のコンクリート打設後の状況を見学した。
参加した生徒は、「普段見ることのできない場所まで見学できてワクワクした。様々な業者が携わっていることに驚いた」と話した。同校建築科の坂本譲司教諭は、「建設関係業者や行政、それぞれの役割や雰囲気、魅力を味わえたと思う。せっかく入った建築科なので、今日の経験が今後に活きてくれたら」と期待を寄せた。