宮崎県技能士会連合会と県立産業技術専門校は12月2日、県立宮崎工業高等学校の生徒を対象とした技能体験と見学会を開催した。同校の2年生37人を対象に、型枠・鉄筋・建築大工・左官・とびの各技能士会が技能体験を行ったほか、県立産業技術専門校に設けている各科の概要などについて説明を受けた。
進学や就職を控える学生を対象に、様々な技能を体験してもらい、将来の進路選択に役立ててもらおうと、毎年開催しているもの。午前中に行われた技能体験には、▽宮崎県型枠技能士会▽宮崎県鉄筋業組合技能士会▽宮崎県建築大工技能士会▽宮崎県左官技能士会▽宮崎県とび技能士会―の5団体が協力した。
型枠技能士会は、コンクリート構造物を建設する際、コンクリートを流し込むために型枠が必要であることを説明し、熟練技能士の指導のもと、生徒達が型枠の建て込みを体験した。鉄筋業組合技能士会は、建物や構造物を補強するため、コンクリートとセットで内部に鉄筋を組み込むことを解説し、鉄筋の結束に挑戦した。
建築大工技能士会は、断熱ボードの採寸・カット・はめ込み作業を指導。左官技能士会は、コテを使って手作業で珪藻土の塗り壁を仕上げる手法を説明し、コテを上手に使ってパターン付に挑戦する生徒の姿も見られた。とび技能士会は、足場の仕組みや役割を解説し、足場上での部材の移動や組立作業に挑戦した。
参加した生徒は、「一見、簡単そうに見えたが、実際に挑戦してみるととても難しい。技能の奥深さを感じた」などと話した。宮崎県技能士会連合会の田上幸弘事務局長は、「体験したのは、生徒達が学ぶ建築に不可欠な技術。体験を通じて学んだことを、将来に役立ててもらいたい」と期待を込めた。