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サウンディングの結果を公表 道の駅フェニックス再整備

 宮崎市は、道の駅フェニックスの再整備に向けたサウンディング型市場調査の結果を公表した。調査では、市と協働で基本計画の策定や施設の整備・運営を一体的に担う「事業パートナー方式」での事業化に対して、民間事業者が注力しやすい手法である一方、法律上の規制範囲や官民の費用負担の明確化を求める意見が寄せられた。

 道の駅フェニックスは、土産物購入や休憩利用を目的に年間30万人以上が来場しているが、経年により建物や設備の老朽化が進んでいる。厳しい財政状況に配慮しつつ、施設の再整備を通じて地域課題の解決を図るため、事業の市場性や実現可能性を把握するとともに、今後の公募に向けた条件等を整理するための調査を行った。

 7月~10月に行った調査には、駐車場管理運営▽不動産開発▽施設管理運営▽複合サービス事業▽総合建設業▽デザイン設計▽空間プロデュース▽飲食事業―など14社が参加。対話では、「事業パートナー方式の導入検討」「対象地の強みや弱み」「施設整備」「施設運営」をテーマに、民間事業者から意見や提案を求めた。

 事業パートナー方式に関しては、「基本計画を設計・建設・運営管理とまとめて公募する方式は提案者側が力を注ぎやすい」「自然公園法の手続きが不承認となった場合、事業者の労力とコストが無駄になるリスクを伴う」「事業パートナー選定後に費用負担割合を詰めると、事業が崩れるリスクがある」などの意見があった。

 対象地の弱みと強みに関しては、「集客できる施設設計と運営が可能になれば、最高の目的地になり得る」「敷地一体が地盤の脆弱性を抱えており、土砂災害リスクなど根本的な解決が難しい」「自然災害が突発した場合、孤立化しやすい」「再整備による集客力の増加に伴い、駐車場の不足は避けられない」などの意見があった。

 また、施設整備に関しては「民間資本による施設整備は投資回収が厳しい」「敷地を分割し、道の駅エリア(DBO方式)と民間投資エリア(事業用定期借地方式)の整備を組み合わせる手法が望ましい」「宿泊施設の併設は、滞在時間延長と消費促進に繋がる重要な要素であり、物販や飲食に波及効果を生み出せる」などの意見があった。

 施設運営に関しては、「利用料金ではなく、直営であれば収益性もあり、事業に投資しやすい」「雇用や商品開発の継続性を考慮し、PPP方式の場合は15年から20年程度の長期運営が理想」「事業用定期借地方式であれば土地の定借期間は30年程度は必要」「地元が稼げる地域循環型の仕組みを考えるべき」などの意見があった。

 市は、調査で寄せられた意見や提案を踏まえ、今後の施設の整備・運営方針について検討を進め、関係機関との調整や必要事項の整理を行ったうえで、2025年度中に施設の方向性を示すとしている。

調査結果の概要