▲写真は挨拶する河野知事、清山市長、協定締結式の模様
宮崎県と宮崎市は、危険な盛土等の早期発見及び造成抑制を目的に、九州初となる「危険な盛土等の情報提供に関する協定」を、一般社団法人宮崎県建設業協会などの業界団体3者及び運送事業者2者と締結した。12月17日に県庁で締結式を行い、河野俊嗣知事及び清山知憲市長と各者の代表者が協定書を取り交わした。
宅地造成等の用途に限らず危険な盛土を全国一律で規制する盛土規制法では、都道府県・政令市・中核市が、市街地や集落などを対象とする「宅地造成等工事規制区域」と、山間部や農地などを対象とする「特定盛土等規制区域」を指定。これらの区域内で盛土や切土を実施する場合には、許可や届け出が必要となる。
宮崎県と宮崎市は、2025年5月1日から県内のほぼ全域と市の全域を盛土規制法に基づく規制区域に指定し、制度の運用を開始。県及び市が連携して、危険な盛土等から県民・市民の生命及び財産を保護するためには、危険な盛土等を早期発見できる仕組みが不可欠であることから、関係団体及び企業と協定を締結した。
協定を締結したのは、▽一般社団法人宮崎県建設業協会(藤元建二会長)▽宮崎県森林組合連合会(長友幹雄代表理事会長)▽宮崎県農業協同組合(栗原俊朗代表理事組合長)▽佐川急便株式会社南九州支店(田平伸一郎支店長)▽ヤマト運輸株式会社宮崎主管支店(久龍猛志支店長)―の5者。
地域に精通している運送事業者や林業、農業、建設業者と行政が一体となり、業務中に危険な物等を発見した場合に、業務に支障が生じない範囲で情報提供を行う。情報提供の方法は、盛土規制法に係る盛土等の情報を一元的に管理する「宮崎県盛土等情報管理システム」を活用する。
17日に行われた締結式で河野知事は、「県民の安全・安心が一層進むネットワークが形成されたことを嬉しく思う」と謝意を示すとともに、「様々な現場で働く皆様の情報が、危険な盛土等の対策を進める上で重要になる」と述べ、協定締結を契機として、相互の連携を更に深めていく考えを示した。
一方、清山市長は、「皆様の力をお借りすることで、盛土等に関する不適正事案の迅速な発見に繋がる」と期待感を示し、「判断の難しいポイントもあると思うが、積極的な情報提供をお願いする」と述べ、危険な盛土等の早期発見と抑止力の強化に努めていく考えを示した。