▲写真は交流会、見学会の模様
一般社団法人宮崎県建設業協会は12月8日、県立都城工業高等学校の生徒を対象とした交流会と現場見学会を開催した。建設システム科の1年生26人を対象に、建設業の魅力ややりがいを伝えたほか、生徒達が稼働中の建設現場3箇所を訪ね、現場の仕組みや工事の進め方を学び、建設業に対する理解と見識を深めた。
宮崎県建設業協会では、建設産業の健全な発展や担い手の確保・育成、業界のイメージアップを図ることを目的に、若年者の入職促進や人材育成に係る各種事業を展開。県内高校等の学生を対象とした出前講座や現場見学会のほか、各地区協会を実施主体とするインターンシップなどに積極的に取り組んでいる。
開会挨拶で都城地区建設業協会青年部の木場俊介部長は、「交流会を通じて建設業の実情を少しでも知ってもらえれば」と話し、部員及び生徒達に積極的なコミュニケーションを呼び掛けた。
4つのグループに分かれて行った交流会では、事前に生徒達に行ったアンケート調査の結果を踏まえ、卒業後の進路や建設業の実態、給与・休暇などの勤務形態、資格の重要性、県内外での就職等について、青年部員が自身の経験を交えながらアドバイス。将来に真剣に向き合う生徒達に対して、仕事の魅力ややりがい、おもしろさを伝えた。
現場見学会は、都城市・日南市・宮崎市の3箇所の現場で実施。大淀開発株式会社が日南市で施工する「伊比井地区改良(その1)工事」の現場では、国土交通省九州地方整備局宮崎河川国道事務所日南国道維持出張所の入江友和所長が、現道の車両視認性が悪いことから、新たな道路に切り替える工事の目的などを説明した。
施工を手掛ける大淀開発土木部の前田淳現場代理人は、具体的な工事の内容や現在施工中の鋼橋上部工について説明。3Dデータを用いた完成予想図を示すとともに、現場内の吊り足場の様子を間近で見学した。
一方、西松建設株式会社が施工する「宮崎220号内海トンネル新設工事」の現場では、国土交通省九州地方整備局の担当者が、危険箇所を回避するためにバイパスを整備していることを説明。同現場の木村幸雄所長は、工事概要や周辺の地形・地質の特徴、現在の切羽状況、トンネル掘削サイクルなどをスライドを使って説明した。
その後、トンネル内部の各所を紹介しつつ、掘削作業が進行する最前線まで移動。同時刻に行われていたダイナマイトによる発破掘削の迫力を間近で体感した。普段体験することができない工事の様子に、生徒達からは歓声が上がった。
同日はこのほか、都城市内で株式会社木場組が施工する「都城運動公園陸上競技場スタンド等新築工事」の現場も見学した。参加した生徒は、「実際に自分の目で見ることで、より深く学ぶことができた。将来の職業選択に活かしていきたい」と話した。