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11月18日は「土木の日」 出前授業やふれあい体験

      
▲各地区のイベントの様子

 11月18日は「土木の日」。道路や河川など社会資本整備の重要性を認識してもらうとともに、土木技術及び土木事業に対する理解を深めてもらうことを目的に、全国各地で土木に関するイベントが催されている。宮崎県内では、各地区の小学校で、土木に関する出前講座やふれあい体験、校内のボランティア活動を実施している。

■宮崎地区

 宮崎地区の土木の日イベントは11月10日、宮崎市立住吉南小学校で行われた。同校の6年生を対象に、土木に関する出前講座を行ったほか、建設関連団体が協力して土木とのふれあい体験を行い、生徒達は楽しみながら土木の魅力を学んだ。
 出前講座では、宮崎土木事務所の担当者が、11月18日が土木の日である理由のほか、土木が快適で安全な暮らしを支えていることを説明。中部港湾事務所の担当者は、港の役割や仕組み、港が出来るまでのプロセスを紹介した。
 ふれあい体験では、宮崎安全施設事業協同組合の協力のもと、校内の駐車場にラインを設置する作業の模様を見学するとともに、路面表示用の塗料と刷毛を使って、生徒自身が校内の渡り廊下のラインを綺麗に塗り上げた。
 また、高所作業車への試乗や測量機器を使った距離当てクイズ、レンガ・砂・水を使ったレンガアーチ橋作りに挑戦。高所作業車から地上の友達に手を振る姿や、完成したアーチ橋をおそるおそる渡り、壊れないことに驚く姿が見られた。
 このほか、専用のVRゴーグルを装着し、橋梁やトンネル、スタジアムの建設工事を体感した。
▽参加団体=宮崎土木事務所、中部港湾事務所、宮崎県建設技術センター、宮崎市、宮崎地区建設業協会、宮崎県測量設計業協会、宮崎県造園緑地協会宮崎支部、日本造園建設業協会宮崎県支部、宮崎安全施設事業協同組合。

■日南地区

 日南地区の土木の日イベントは11月18日、日南市立北郷小中学校で行われた。小学校の3・4年生約40人を対象に土木を学ぶ出前講座を行ったほか、レンガのアーチ橋づくりや重機の試乗体験、測量体験、花植え等のイベントに挑戦した。
 開会式で宮崎県日南土木事務所の新見勉工務課長は、県南地区を走る東九州自動車道の開通を例に、土木が安全・安心で快適な生活を支えていることを紹介。同校の土持光司校長は、「感謝の気持ちで様々な体験を元気いっぱい楽しんで」と呼び掛けた。
 出前講座では、日南土木事務所の担当者が、道路や橋梁、ダム、堤防、砂防など「土木」が生活に欠かせないモノを造っていることを説明し、「土木を身近に感じて」と話した。油津港湾事務所の担当者は、港湾と漁港の違いや各施設の役割などを紹介した。
 質問コーナーでは、日南地区建設業協会青年部の清水晃嗣郎部長らが生徒からの質問に対応。宮崎県産業資源循環協会は、リデュース・リユース・リサイクルの意味を身近な例えで説明し、ゴミから造った固形燃料が発電所で活用されていることを紹介した。
 土木とのふれあい体験では、レンガを使ったアーチ橋造りや小型重機hへの試乗、パンジーやビオラなど9種類の花植え、ドローンの操縦を体験。このほか、土木学会が作成した「防災・減災」をテーマとするしたポケドボカードゲームを楽しんだ。
▽参加団体=日南土木事務所、油津港湾事務所、日南市、日南地区建設業協会、宮崎県造園緑地協会日南支部、宮崎県測量設計業協会日南支部、宮崎県産業資源循環協会県南支部。

■高鍋地区

 高鍋地区の土木の日イベントは11月18日、都農町立都農南小学校で行われた。同校の4年生42名を対象に、土木に関する出前講座、重機や高所作業車の試乗体験、測量体験、花の苗植えなどを行った。このほか、造園関係団体による樹木の剪定ボランティアも行われた。
 出前講座では、宮崎県高鍋土木事務所の担当者が、11月18日が土木の日である理由や、土木が生活を豊かにし、災害から生活を守る役割を担っていることを説明。現場で活躍する車両やダムの仕組みを解説するとともに、土木に関連したクイズを出題した。
 ふれあい体験では、高鍋地区建設業協会青年部の部員がサポートし、重機の操縦に挑戦するとともに、空高く上る高所作業車に試乗した子ども達から大きな歓声が上がった。測量機器を使った距離当てクイズや、プランターへの花の苗植えなどにも挑戦した。
 校内ではこのほか、造園関係団体が雑草の除去や伸びすぎて危険になっている木々の剪定などを行った。参加した生徒は、「色々な体験をして、土木の仕事が少し分かった。重機を操縦したことが楽しくて印象に残った」と目を輝かせた。
▽参加団体=高鍋土木事務所、高鍋地区建設業協会、宮崎県測量設計事業協同組合、日本造園建設業協会宮崎県支部、高鍋綠心会。

■実行委員会

 宮崎大学や国土交通省の県内出先機関、宮崎県県土整備部、建設関連団体などで組織する宮崎県「土木の日」実行委員会は、11月8日と9日の2日間、宮崎市郊外の大型商業施設で「土木の日パネル展」を開催した。買い物客や家族連れが足を止め、パネルや模型実験を通じて、土木に対する理解と認識を深めた。
 パネル展では、国土強靱化に向けた宮崎県内の取組事例やその効果、県内の代表的な土木遺産、激甚化・頻発化する地震や台風等で被災した道路や河川、砂防といった公共土木施設と災害対応の内容を紹介。自然災害への対応だけでなく、口蹄疫の防疫対策や火山噴火に伴う降灰除去にも建設業が協力していることを紹介した。
 また、模型実験を通じて、砂防堰堤に土砂から街を守る効果があることを説明するとともに、雨水貯留槽の現物を展示して、流域のあらゆる関係者が協働で治水対策に取り組む流域治水の考え方を紹介。おもちゃのショベルカーでお菓子をつかみ取りするコーナーには順番待ちの列ができ、大人から子どもまで土木と親しんだ。
 宮崎大学工学部工学科土木環境工学プログラムの森田千尋教授は、建築と異なり、土木が一般的に目に見えにくい箇所の工事などを手掛け、社会インフラを支える縁の下の力持ちであることを踏まえ、「今回のイベントを通じて、そうした隠れた部分も広く一般の方々に知ってもらいたい」と期待を込めた。