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ゼロ災達成と健康管理に注力 宮崎県建築協会が安全大会

      

▲写真は挨拶する河野副会長、表彰式、大会の模様

 一般社団法人宮崎県建築協会(松本純明会長)は10月2日、宮崎市内で2025年度の「労働安全衛生推進大会」を開催した。大会には、県内各地から会員企業の代表や技術者ら多数が参加。安全表彰や安全講話を通じて、参加者は更なる安全意識の高揚を図るとともに、安全第一の職場環境づくりに全力で取り組むことを誓った。

 松本会長に代わって挨拶した河野一治副会長は、10月1日~7日を本週間とする全国労働衛生週間のスローガン「ワーク・ライフ・バランスに意識を向けて ストレスチェックで健康職場」を紹介。ゼロ災害の達成とこれを支える従業員の健康管理が建設業の最重要課題であることを強調し、安全で健康に働ける職場づくりを呼び掛けた。

 来賓挨拶で宮崎労働局労働基準部健康安全課の中玉利浩治課長は、建設業では依然として、墜落・転落災害や重機災害といった従来型の労働災害が繰り返し発生していると指摘。研修会や安全大会を通じて安全意識の高揚を図り、日々の安全衛生活動を充実させることで、会員会社から災害が発生しないよう努めてもらいたいと述べた。

 安全表彰では、安全に対する取り組みが顕著だった株式会社矢野興業と株式会社下森建装の2社、個人賞を受賞した▽長友和人氏(上田工業株式会社)▽竹本直哉氏(株式会社坂下組)▽弓削誠一郎氏(株式会社志多組)▽小西信照氏(神崎建設工業株式会社)▽上坂祐蔵氏(株式会社桜木組)ーの5人に表彰状と記念品を贈った。

 続けて行われた安全講話で中玉利課長は、県内建設業に於ける死傷災害の発生状況を示し、建築工事に於いては「墜落・転落」が全体の4割を占め、経験の浅い人や高齢者の割合が高いことなどを説明。特に高齢者に関しては、加齢による身体機能の低下が事故の要因に考えられるとして、実情に応じた対策を講じるよう求めた。

 また、今年6月から職場における熱中症対策が強化されたことに関連して、建設現場で発生した熱中症による死亡災害の事例を解説。さらに、県内で一人親方等の死亡災害が多発しているとして、これらの発生状況を説明するとともに、車両系建設機械等を運転する際にはシートベルトの着用を徹底するよう呼び掛けた。

 大会ではこのほか、元県職員で現在は宮崎県事業承継・引継ぎ支援センターのサブマネージャーを務める巣山昌博氏が講演。同センターの取組内容や承継の進め方、事業承継計画書を作成するメリットなどを解説した。