宮崎県は、2024年度「男女共同参画功労賞」及び「女性のチャレンジ賞」の受賞者を決定し、1月29日に県庁で表彰式を開催した。男女共同参画功労賞を受賞した株式会社矢野興業(宮崎市)、女性のチャレンジ賞を受賞した岡田久美子さん(旭建設株式会社)とスイミー都城ファニーズ(都城市)に河野俊嗣知事が表彰状を手渡した。
矢野興業は、建設業に於ける人手不足の解消や働き方改革の推進を背景に、2018年から子どもの病気やイベント時に時間単位で有給休暇を取得できる育児サポート制度などをスタート。22年には新たな職域「建設ディレクター」を導入し、4人の女性職員が活躍するなど、女性の積極的な雇用に努めている。
また、16年4月から「みやざき女性活躍推進会議」に参加し、22年3月からは同社総務部長が企画委員として推進会議の活動に参加するなど、本県の女性活躍推進・男女共同参画社会づくりに貢献している。
矢野智久代表取締役社長は、「これまでの取り組みを評価していただき嬉しく思う」と受賞の喜びを語り、「取り組みを進める中で、社内の雰囲気も良くなり、活気が出るなど、思った以上の成果が出ている」と強調。男女共同参画を進めるためには、会社全体で取り組む必要があり、「会社やリーダーの本気度が試される」と指摘した。
一方、女性のチャレンジ賞を受賞した岡田さんは、長らく男性社会と言われてきた土木業界で、道路や橋梁、トンネルの補修工事の施工管理業務に12年間従事。国土交通省が23年度に発注した宮崎管内舗装修繕工事の現場で、同社初の女性監理技術者に抜擢され、現場の技術者のトップとして現場を統括した。
現在は、これまでの経験を生かし、女性の活躍が期待される「建設ディレクター」の女性社員の育成に注力。工事現場で働く女性のロールモデルとして、同社のみならず、県内の建設業界に於いても不可欠な存在となっている。
岡田さんは、「思いがけず、栄えある賞をいただくことができて嬉しい。これも会社や周囲の方々のサポートのおかげ。これからも期待に応えられるよう頑張りたい」と意気込みを述べるとともに、「男女を問わず、更に柔軟に働くことができれば、建設業界で今よりもさらに多くの女性が活躍できる」と期待を込めた。
同じく女性のチャレンジ賞を受賞したスイミー都城ファニーズは、都城地区の女性農業者でつくる団体。女性も働きやすい環境づくりや補助事業を活用した女性用トイレ・休憩所・更衣室等の整備について研修会を開催し、他社への波及などに取り組んでいる。
挨拶で河野知事は、人口減少や人手不足、地域の活力の観点からも、「女性の活躍促進が国全体として大きな課題になっている」と指摘。こうした中で「事業所も含めて、社会全体でサポートする体制を整える必要がある」として、受賞者の取り組みに敬意を表し、「こうした取り組みを県内に広げていきたい」と述べた。